| １． |
授業の内容（Course Description） |
|
従来，企業会計は複式簿記と密接な関連をもってきた。しかし，ここ数年，わが国企業会計は会計ビッグ・バンといわれるほど大きな変貌を遂げてきているといわれている。そのような状況下で，複式簿記と企業会計の関係はどうなってきている，あるいは将来どうなっていくと考えられるのであろうか。本講座では，現在，簿記論に関して最も注目されている，この問題について考えることを目的とする。しかしこれは，非常に大きな問題であるため，簿記論ならびに財務諸表論の基礎知識が必要不可欠となる。そこで，簿記論特講 I では，複式簿記の仕組と理論及び財務諸表論の基本的概念について学び，簿記論特講 II において，具体的に，新しい会計制度の中での複式簿記について考える。
|
| ２． |
授業の到達目標（Course Objectives） |
|
複式簿記の仕組と理論及び財務諸表論の基本的概念の修得を目標とする。
|
| ３． |
成績評価方法（Grading Policy） |
|
期末レポートを80％程度，出席状況及び受講態度を20％程度で総合的に評価する。
|
| ４． |
テキスト・参考文献（Textbooks) |
|
テキスト：新田忠誓（編著）『エッセンス簿記会計 第5版』（森山書店），新田忠誓（編著）『大学院学生と学部卒業論文テーマ設定のための 財務会計論簿記論入門』(第２版)(白桃書房)
参考文献：岩﨑 健久『財務会計概説』（税務経理協会），岩﨑 健久『現代財務諸表論』（中央経済社），新田忠誓（監修）『会計数値の形成と財務情報』（白桃書房）
また，必要に応じて資料を提供する。
|
| ５． |
学生への要望・その他（Class Requirements） |
|
知識の修得はもちろんのこと，大学院生として，そこで得た知識を生かして，自ら考えるという姿勢を常にもってもらいたい。したがって，議論への積極的な参加はもちろんのこと，自らの疑問点についての問題提起も歓迎する。
|
| ６． |
授業の計画（Course Syllabus) |
|
【第１回】
オリエンテーション
講義の進め方，成績評価の方法などを説明する。
【第２回】
簿記論の基礎１
簿記の意義と資本等式・貸借対照表等式の意味を学ぶ。
【第３回】
簿記論の基礎２
株式会社の設立と複式簿記の役割を学ぶ。
【第４回】
簿記論の基礎３
「簿記一巡」について学ぶ。
【第５回】
簿記論の基礎４
帳簿組織と簿記の論理について学ぶ。
【第６回】
簿記論の基礎５
税務会計における簿記の必要性（法人税等）
【第７回】
簿記論の基礎６
税務会計における簿記の必要性（消費税等）
【第８回】
簿記論の基礎７
会計学上の数値と簿記学上の数値の異同について学ぶ。
【第９回】
財務諸表論の基礎概念１
損益法と財産法の由来について学ぶ。
【第10回】
財務諸表論の基礎概念２
損益法と財産法を融合した企業会計の見方について学ぶ。
【第11回】
財務諸表論の基礎概念３
収益費用アプローチと資産負債アプローチについて学ぶ。
【第12回】
財務諸表論の基礎概念４
損益法と収益費用アプローチ及び財産法と資産負債アプローチの異同について学ぶ。
【第13回】
収益費用アプローチにおける複式簿記の役割について学ぶ。
【第14回】
資産負債アプローチにおける複式簿記の役割について学ぶ。
【第15回】
本講座のまとめ
|
