Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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外交史B
(外交史)
小池 寛治
選択  2単位
【法律】 10-1-1210-0683-02

1. 授業の内容(Course Description)
 「外交史」という授業名ですが、より正確に言うと「近代・現代日本外交史」の授業です。秋学期では、第二次大戦の敗戦・占領期から、現在に到る日本外交を講義します。
 外交史 A(春期/黒船から第2次世界大戦の敗戦まで)の講義概要の「授業の内容」にも書いたように、歴史は「考える学問」であって、いわゆる「暗記物」であってはならないと思います。
 日本外交とは、日本が置かれた国際環境と国内政治や国内世論という枠組みの中で、国益を求めて、最善の選択をしようとの試みの積み重ねでした。その為には、戦略的な判断が必要であり、また、外交技術も必要でした。これは、政治のリーダーシップと外交官の宿命といえます。私自身が39年間の外交官生活を通じて痛感したことをも踏まえて授業を進めます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 今日の問題、例えば、日米関係、台頭する中国との関係、北朝鮮問題、更には日本の国際貢献などを学生諸君が自分自身で考えることが出来るように、基本的な事実や考え方に付いて講義します。問題の本質は何か?日本の国益は何か?日本の外交の選択肢は何か?どうあるべきか?学生諸君が自から考えるきっかけを掴んで貰うことが目標です。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席率、小テスト(随時)、期末テストを総合して評価します。歴史は考える学問であり、いわゆる「暗記物」ではないという私の信念に従い、小テスト及び期末テストは、教科書、ノートの持ち込みは自由にします。だからといって安心することなかれ。学生諸君が自ら努力して考えなければ出来ないような質問を出します。また、携帯電話と電子辞書の使用は禁止します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 教科書:『日本外交の軌跡』 細谷 千博 著 NHKブックス(¥920)
 教科書:『戦後日本外交史』 五百旗頭 真(編) 有斐閣アルマ(¥2,000)
 その他の参考文献はそのつど紹介します。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 外交史 A(春学期)を受講することを希望します。
 新聞を毎日読むこと。特に、日本の政治と国際関係に興味を持ち、何故だろう?何が本質なのか?と常に考えて下さい。授業中の質問やコメントを歓迎します。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション。
 授業の目的と進め方を説明するので、受講希望生及び迷っている学生は必ず出席すること。
 戦後の日本外交の出発点及び課題は何だったのか?サンフランシスコ講和条約から日米安保条約改訂までの日米関係を取り上げます。吉田 茂 外交。
【第2回】
 ソ連との国交回復とその後の日ソ関係
【第3回】
 第2次大戦後の日中関係の前半、即ち1951年末の「吉田書簡」から1978年の「日中平和友好条約」までの期間の日中関係
【第4回】
 日本とアジア諸国との関係。韓国との国交正常化問題。
【第5回】
 沖縄返還問題と日米経済摩擦。
【第6回】
 日本と西ヨーロッパ・欧州共同体(EC)との関係。
【第7回】
 「冷戦時代」の終わりと「ポスト冷戦時代」の概観。
【第8回】
 ポスト冷戦時代の日本外交、特に、湾岸戦争とカンボジア紛争をめぐる日本の対応。
【第9回】
 国交正常化後の日中関係。改革・開放政策により強大化する中国、台湾問題や歴史問題。
【第10回】
 未だ国交正常化に到っていない北朝鮮との関係。
【第11回】
 日本外交の重要な手段である政府開発援助及びアジアの地域協力問題。
【第12回】
 日本の国連外交。
【第13回】
 アメリカを襲った2001年の9. 11同時多発テロ事件とアフガニスタン戦争。
【第14回】
 総括。第2次大戦後の日本外交とは何だったのか?
【第15回】
 日本外交の当面の主な課題。期末テスト