Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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日本文化演習(日本語学) I 坂梨 隆三
選択必修  2単位
【日本文化】 10-1-1310-0240-09

1. 授業の内容(Course Description)
 今年度は芥川龍之介の『羅生門』(大正四年[1915])をテキストにして近代の日本語について見ていきます。
 近代の日本語と近世の日本語のちがい、また、近代の日本語と現代日本語のちがいについても考えます。
 初版本、現行の全集本、それから現行の各種の文庫本等との比較を行いながら、近代の日本語のさまざまな事象(漢字・仮名、かなづかい、語法、音韻など)について考えていきます。とくにさまざまの類義表現を中心に見ていくようにしたいと思います。索引類も大いに活用していきたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 近代の漢語、表記、そのほか、「のぼる」と「あがる」、「寂しい」と「淋しい」、「ベッド」と「ベット」、「燈」と「灯」、「知ら(ない)」と「知ら(ぬ)」、「大きい」と「大きな」、「待って下さい」と「待って頂けませんか」等々のさまざまな類義の語・表現を取りあげ、その違いを明らかにする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席50点、発表50点
 4回欠席した人は失格とします。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『羅生門・鼻』(新潮文庫)380円
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 (電子)辞書を持ってくること。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 日本語資料としての『羅生門』
【第2回】
 初版本、全集本、文庫本との比較
【第3回】
 仮名遣いについて
【第4回】
 音韻について
【第5回】
 文法について
【第6回】
 語彙について
【第7回】
 文章について
【第8回】
 敬語について
【第9回】
 男性の言葉と女性の言葉
【第10回】
 会話文について
【第11回】
 ふりがなについて
【第12回】
 世代間による言葉の違い
【第13回】
 打消の「ない」と「ぬ」
【第14回】
 『羅生門』の地の文
【第15回】
 まとめ