Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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東洋史概説 I 愛宕  元
必修  2単位
【史】 10-1-1340-1680-05

1. 授業の内容(Course Description)
 中国の歴史は新石器定住農耕文化の発祥以来、王朝の成立を経て現代中国に至るまで、いくつかの遊牧系・狩猟系の異民族による「征服王朝」の時代が介在したものの、伝統と文化の断絶のない唯一の歴史世界である。したがって、中国の歴史を知るためには時間軸に沿った通史としての理解がきわめて重要となる。
 春期の講義は、4世紀の五胡十六国時代から始める。30年来の中国現地踏査での見聞や体験をまじえながら講義を進める予定である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 中国史固有の歴史的な専門用語、歴史上の著名な人物や歴史的地名、時代経過による歴史世界の広がり、そして現代中国との関連性を理解することを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 学期末の試験で評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:愛宕元・冨谷至編『中国の歴史 上』(昭和堂 2300円)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 現代中国を知るためにも、その背景にある長い断絶のない中国の歴史展開の理解は欠かせない。中国やその歴史に関心のある人はぜひ受講してほしい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 五胡十六国に至るまでの概観
【第2回】
 五胡と呼ばれる匈奴・羯・氐・羌・鮮卑族について
【第3回】
 華北における五胡十六国の興亡
【第4回】
 鮮卑族拓跋部の北魏による華北の統一、五胡諸政権短命の弱点を克服
【第5回】
 北魏孝文帝の過激な華化政策の強行
【第6回】
 華化政策の破綻、漢族主義と胡族主義の融合に失敗
【第7回】
 鮮卑エリート層の反発、六鎮の乱・城民の乱から全国的大内乱へ
【第8回】
 北魏の東西分裂、内乱中に台頭した新興軍閥の政権掌握
【第9回】
 東魏の実力者高歓、西魏の実力者宇文泰について
【第10回】
 東魏から北斉へ、西魏から北周へ
【第11回】
 北周武帝の北斉併合、再び華北が統一される
【第12回】
 北周武帝の全国統一策とその挫折
【第13回】
 周隋革命、外戚楊堅による政権奪取、隋の成立
【第14回】
 隋文帝のきわめて慎重な全国統一策
【第15回】
 隋による270年来の全国統一の達成
 学期末試験を実施