Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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テレビとエンターテイメント I 阿部 輝彦
選択  2単位
【社会】 10-1-1350-0691-01

1. 授業の内容(Course Description)
 テレビ57年の歴史はNHKと民放の併存・共生である。しかしその経営内容は全く異なっている。NHKは受信料収入であり、民放は80%以上が広告収入である。NHKは受信料問題、民放は未曾有の広告料激減とインターネット進出による経営環境の変化。厳しい試練に立たされている。しかしながらコンテンツ制作だけは共通で視聴率に一喜一憂しながら激しい競争がくりひろげられているのが現実である。報道、ドキュメント、ドラマ、バラエティ、音楽番組、スポーツ、ワイドショー、アニメ、外国映画それぞれの関係先会社は枚挙にいとまがない程に多種多様化している。
 別科目で「実践的番組制作論―テレビの達人たち」を開講し上記各ジャンルの達人たち(テレビ局OB&現役)にテレビ局員としてテレビを巨大メディアに作りあげた足跡、サクセスストーリーを語ってもらっているが、テレビは御承知のようにテレビ局員だけでは制作完結はむずかしい。この講座では前期、後期にわけてテレビ局のパートナーとして共にテレビの黎明期、成長期、安定期を苦楽を共にしながら研鑽し、道をきりひらいて来た方々、今日のテレビの繁栄に協力、貢献していただいた方々に、21世紀のテレビの在り方、方向性について忌憚のない率直な箴言、直言、提言をいただき放送の原点に戻って完全デジタル化に対応したテレビの未来像を皆様とともに考えてゆきたい。
 テレビの両輪、ジャーナリズムとエンターテイメント、とりわけエンターテイメントについては国民の最高の娯楽情報であり、その期待度は大きいがゆえに充分なる論議を重ねることが肝要である。前期は映画、スポーツ、芝居、ゲーム等エンターテイメント性とテレビとの関わりをほりさげる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 エンターテイメントの達人たちはとりもなおさず、人生の達人である。功なり名を遂げた方々の足跡、苦労話、サクセスストーリーから、これからの皆様の人生への指針、方向性が見出されれば幸いである。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席(50%)と課題レポート(50%)を綜合して評価する
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『テレビ局の内定がほしいなら、これは知っておけ』 池内正人著
   (元テレビ東京代表取締役副社長、元BSジャパン代表取締役社長)
 『テレビ局が潰れた日』
 『テレビ番外地―東京12チャンネルの奇跡』 石光勝著
   (元テレビ東京常務取締役)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 テレビ57年の歴史の中で常にパートナーとして協力、研鑽し合って来た外部応援団(広告主、広告会社、コメンテーター、タレント、声優、プロダクション、タレント事務所、映画会社、CI会社、視聴率調査会社、メイク、スタントマン、映像翻訳家、放送批評家等々)の存在こそ繁栄の礎であり、テレビが今日迄ながきにわたってマスコミのトップに君臨している証左である。
 その多岐にわたる関係者のチームワークの結晶が素晴らしいコンテンツを生み出し、視聴者にやすらぎ、いやしを与えている。今そのコンテンツが完全デジタル化の潮流の中で、どのように変化してゆくのか、パートナーゆえの率直な生の声を聞くことによって更にテレビへの理解を深めていただければ幸いである。「自分流」の更なる研鑽の為に100%出席を要望する。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 総論(講義の趣旨、スケジュール等)
【第2回】
 テレビと広告
  広告主、広告会社からみたテレビについて
  (若林 覚 ・ 元サントリー(株)宣伝事業部長)
【第3回】
 一社枠 ラジオ番組への挑戦
 (アクテリオン・ファーマシューティカルズ ジャパン 新井 和美 ・ 広報室長)
【第4回】
 エンターテイメントとテレビの熱い関係
 (亀田 卓 ・ 在電通)
【第5回】
 映画祭の仕掛人
 (小松澤 陽一 ・ 元夕張映画祭プロデューサー)
【第6回】
 映像翻訳の世界
 (川本 燁子 ・ 翻訳家)
【第7回】
 声優からみたテレビ57年史
 (羽佐間 道夫 ・ 声優)
【第8回】
 歴史と想像力が時代劇を生む
 (宮越 澄 ・ 映画監督)
【第9回】
 「一人芝居の全国行脚」 企画から公演迄
 (李 麗仙 ・ 女優)
【第10回】
 テレビ局とCI、企業ブランデング
 (川田 一元 ・ 元ランドーアソシエイツ社長)
【第11回】
 「たまごっち」生みの親
 (横井 昭裕 ・ ウィズ社長)
【第12回】
 平成22年度ギャラクシー賞にみる最近のテレビ事情
 (鈴木 典之 ・ 放送人の会幹事)
【第13回】
 Jリーグの立上げとスポーツ界の現状
 (米倉 實 ・ 東海大学講師)
【第14回】
 エンターテイナーから見たテレビ業界
 (大木 凡人 ・ タレント)
【第15回】
 テレビを通しての情報コントロールの功罪
 (西舘 好子 ・ 日本子守唄協会理事長)