1. |
授業の内容(Course Description) |
|
概論と研究はひとつながりで、相互に補完しあっています。前期の「概論」では、主としてジャーナリズムの歴史を中心に学び、その全体像をとらえることが主眼です。後期の「研究」はそのうえに立って、現代ジャーナリズムの問題点を考えます。ジャーナリズムは時代の進展とともに発展し、変容してきましたから、歴史を勉強する際にもつねに現在からの視点が欠かせませんし、現在を考えるには歴史的な考察が必要です。とりわけ、メディアが肥大するとともに拡散し、新たにネット環境が整って個々人がさまざまに情報を発信するなど、情報環境が大きく変貌を遂げつつある現在では、ジャーナリズムの概念、役割、責任も根本的に再考せざるを得ません。メディア社会全体を俯瞰して正確な見取り図をつくったうえで、ジャーナリズムの今日的意味を問い直す必要があると思うのです。したがって、授業では前期後期とも、授業内容に関連して、その時々の新聞・雑誌・テレビなどの報道を読み解き、意見を交換することも併せて行います。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
ジャーナリズムの歴史を学び、その重要性を認識することで、新聞やテレビニュースなどに接する機会をふやし、それらを読み解く力を身につけること。さまざまな報道に日常的に触れることで、それぞれが政治や社会的出来事に対して関心を高めること。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末の最終授業で試験を実施。授業中に随時行うテストを加味。ほかに課題のレポート。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
とくに指定しません。そのつど、参考図書を紹介します。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
物事を重層的に見ること。結論を急がず柔軟に、多角的な視点から絶えず問い直すこと。そのためには、できるだけ数多くの情報を受け入れて判断する必要があります。情報は「力」です。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクション 【第2回】 言論・報道の自由の「現在」――見える規制、見えない規制 【第3回】 メディア規制法 【第4回】 不偏不党――公平と中庸の思想 【第5回】 客観報道と署名記事 【第6回】 メディアスクラムと報道被害 【第7回】 テレビの「やらせ」と「演出」の間 【第8回】 ジャーナリズムと国益 【第9回】 ジャーナリズムとコマーシャリズム 【第10回】 多様なジャーナリズムの可能性1――フリー・ジャーナリストの役割 【第11回】 多様なジャーナリズムの可能性2――ラジオの新たな実験 【第12回】 多様なジャーナリズムの可能性3――テレビの多チャンネル化と双方向化 【第13回】 多様なジャーナリズムの可能性4――ネット新聞、ブログ・ジャーナリズム 【第14回】 ジャーナリズム、ジャーナリストの課題 【第15回】 まとめと試験
|