Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
地域問題論 浦野 慶子
選択  2単位
【社会】 10-1-1350-2701-07

1. 授業の内容(Course Description)
 みなさんは、どんな地域に住んでいますか?交通アクセスの良さ、商業サービスの充実、文化・芸術施設の充実、閑静な住環境、近隣付き合いなど、どのようなところが気に入っていていますか?その一方で、治安や騒音など、安全で快適な日常生活を送るうえで問題だと感じることはありますか?
 どの地域にもさまざまな問題があり、それを改善・解決するためには、その原因である社会的背景を把握する必要があります。この授業では、地域問題の背景を社会学的に分析するための基本的な概念と理論を紹介します。そのうえで、日本や米国の事例を取り上げながら、地域問題に関する研究成果を議論し、安全・安心で快適なまちづくりのための新しい諸活動や地域政策の動向を紹介します。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 1)地域社会学の基本的な概念と理論を理解する。
 2)地域問題を社会学的な見地から考えられるようになる。
 3)自分の居住地域や郷里の地域問題を発見し、それを解決するためには、政府、企業、市民がどのような取り組みをするべきか、社会学的想像力・創造力を使って具体的に考え、説明できる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業時間の最後10~15分程度で意見・感想・質問などを記入するリアクションペーパー(3回程度)および授業への出席・参加状況を合わせた平常点(20%)と試験の成績(80%)で評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
 森岡清志『地域の社会学』(有斐閣)
 参考文献
 平野敏政編著『家族・都市・村落生活の近現代』(慶應義塾大学出版会)
 菊池美代志・江上渉『コミュニティの組織と施設』(多賀出版)
 似田貝香門監修・町村敬志編『地域社会学の視座と方法(地域社会学講座第1巻)』(東信堂)
 似田貝香門編著『自立支援の実践知―阪神・淡路大震災と共同・市民社会』(東信堂)
 金子郁容・玉村雅敏・宮垣元編著『コミュニティ科学―技術と社会のイノベーション』(勁草書房)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 基本的には講義形式をとりますが、受講生との双方向の対話を重視しているため、授業中にみなさんの意見や考えを求めることがありますので、積極的に応答してください。また、共に学び合うことも重視しているため、授業中に課すリアクションペーパーの内容は、個人情報を除き、授業中に取り上げることがありますので、承知しておいてください。
 さまざまな地域問題に対して、「自分には何ができるのか」「自分はどのような解決方法を提案できるか」を考えることは、地域問題をきっかけにした自己分析のひとつであると言えます。地域問題に対する社会学的理解を深め、問題解決に向けた発想力を鍛えて、自分の可能性を広げてください。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション:地域、コミュニティとは何か、講義の概要とねらい
【第2回】
 地域問題への社会学的アプローチ(1):古典理論
【第3回】
 地域問題への社会学的アプローチ(2):現代理論
【第4回】
 地域福祉問題:高齢化・過疎化とケア
【第5回】
 地域経済問題:格差と貧困
【第6回】
 地域環境問題:工業化・都市化と環境汚染
【第7回】
 講義前半のまとめ、講義後半の概要とねらい
【第8回】
 地域再生に向けて:まちづくりへの視点
【第9回】
 事例研究(1):表参道イルミネーション復活における経済効果と環境保全
【第10回】
 事例研究(2):奥多摩における情報通信技術の活用と遠隔医療
【第11回】
 事例研究(3):神戸における防災まちづくりとボランティア
【第12回】
 事例研究(4):ロサンゼルスにおけるホームレスの急増と住宅保全
【第13回】
 事例研究(5):ハワイにおけるエコツーリズムと環境保全
【第14回】
 地域問題とグローバリゼーション
【第15回】
 まとめ