Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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ヨーロッパ経済論 I
(ヨーロッパ経済論)
大和 正典
選択必修  2単位
【経済】 10-1-1410-0114-09

1. 授業の内容(Course Description)
 大国の経済の興隆(高成長)と衰退(停滞)はどうしてまたどのようにして起こるのかを解明します。
 春期では以下に焦点をあわせます:
① 歴史上はじめての工業化(産業革命)はどのようにして起こったのか、それが18世紀後半の西ヨーロッパのそれもイギリスで起こったのはどうしてか。
② 現代の中核的工業と経済構造の工業化第二段階がドイツとアメリカで19世紀末から20世紀はじめにかけて生まれたのはどうしてか。
③ そのときそれまでの覇者イギリスが相対的衰退におちいったのはどうしてか。
 これらを解明することはそれ自体興味の尽きない課題ですが、今日の日本の相対的衰退を考える上でも参考になるでしょう。春期の講義は下記6に示した内容とスケデュールで進めます。
 興隆(高成長)と衰退(停滞)のメカニズムについて、平易な言葉で、講義の要点をスクリーンに映しそのプリントを配布して講義を進めます。
 またほぼ2回に1回の頻度で、その日の講義でポイントとなることに関連させて考えてもらう小テストを実施します。それをとおして自ら考える力を伸ばしてください。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 大国の経済の興隆(高成長)と衰退(停滞)はどうして起こるのかを理解し、それを自ら考えられるようになることを目標とします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 成績は、授業で実施する小テストの得点累計30%+期末テスト(配布プリント持ち込み可)の得点70%のテスト評点に、授業態度の評点を調整してつけます。
 いずれのテストも欠席したばあいその評点は0点になります。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:なし、要点を書いたプリントを配布します。
 参考書:大和正典『西洋経済史:大国の興隆と衰退の物語』文眞堂、浅羽良昌『国際経済史』ミネルバ書房、E.J.ホブズボーム『産業と帝国』未来社
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 経済学的なものの考え方を習得し、経済の興隆と衰退のメカニズムを理解したいと考えている学生、講義をよく聴いてくれる学生のみ歓迎します。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス、
 1章 最初の工業化
 1節 17世紀末までの西ヨーロッパの経済発展
【第2回】・【第3回】
 2節 イギリスでの最初の工業化
【第4回】
 3節 工業化の西ヨーロッパ大陸諸国とアメリカへの伝播
 4節 イギリスでの最初の工業化の原因
【第5回】・【第6回】
 2章 工業化第一段階の完成
 1節 イギリスでの最初の工業化の完成と最盛期への発展
【第7回】
 2節 西ヨーロッパ大陸諸国とアメリカでの工業化の進行と完成
【第8回】・【第9回】
 3章 工業化第二段階への発展
 1節 1870年代以降の西ヨーロッパとアメリカ
【第10回】・【第11回】
 2節 ドイツ・アメリカ主導の工業化第二段階への発展
【第12回】・【第13回】
 3節 イギリスの対応と経済覇権交代のはじまり
 4節 ドイツ・アメリカの工業化第二段階への発展とイギリス衰退の原因
【第14回】
 補論:経済発展と文化との関係
【第15回】
 総括、期末テスト