Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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日本の税法 II 河野 惟隆
選択  2単位
【観光経営】 10-1-1110-0205-26A

1. 授業の内容(Course Description)
 近年、法人の合併が頻繁に行われるようになった。都市銀行は以前は13行あったのが、今や、4行になった。大手百貨店の合併があり、家電メーカーの合併もあり、重電機メーカーが複数の子会社を完全子会社にしたり、今や、合併は日常茶飯事となった。このような合併、さらに分割などを、組織再編成と言う。このような組織再編成が、租税を回避するためではなく、経済全体にとって有益に前向きに行われるように、定められた税制が、適格組織再編税制である。この適格組織再編税制が平成13年度に導入されてから、法人税法は、極端に難解になった。この導入によって法人税法の条文は量的には2倍弱になったが、難解さは10倍ぐらいになった感がある。
 法人の合併等を理解するためには、適格組織再編税制の理解が必要不可欠である。法人税法を理解するためは、適格組織再編税制の理解が必要不可欠である。
 そこで講義では、この適格組織再編税制について、簡潔に説明する。しかも、法人税法の他の規定の理解に応用できるように、手助けになるように、説明したい。
 適格組織再編税制が理解できれば、法人税法の基本が理解できる。そういう観点から講義を行う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 学生の皆さんは、卒業して社会に出たとき、仕事の上において、或いは、広く人生において、様々な場面に遭遇する。それらの場面それぞれを、臨機応変に分析でき、対策を立てられるようにする。原因と結果、目的と手段などを明らかにし、対策を立てられるようにする。自分のアタマで考えられるようにする。暗記では、分析できない。様々な場面それぞれを、自分のアタマで、考えて、判断でき、対策を立てられるようにする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験による。講義で述べたことから出題する。出欠は取らないが、出席した方が回答し易い、そんな出題を行う。例えば、文章の穴埋め問題では、出席していない人にとっては、文章がつながらないチンプンカンプンなものであろう。出席している人にとっては、普通につながるであろう。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
 河野 惟隆『法人税法の研究』税務経理協会。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日々の経済現象には、原因があり、過程があり、結果があり、それに対して、対策がある。その対策が、また、因となり、果となってゆく。このように、経済現象は、繰り返す法則として、存在する。学生の皆さんには、経済学は、何よりも、経済現象を、因果関係として明らかにし、対策を立てる、学問である、と理解してもらいたい。この講義では、日本の現実の経済の中における、法人税法の因果関係と対策について述べる。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 法人税法の所得金額
【第2回】
 法人税法の利益積立金額
【第3回】
 法人税法減価償却の新規定
【第4回】
 適格合併等における欠損金繰越控除(その1)
【第5回】
 適格合併等における欠損金繰越控除(その2)
【第6回】
 適格合併の欠損金繰越控除の制限と緩和(その1)
【第7回】
 適格合併の欠損金繰越控除の制限と緩和(その2)
【第8回】
 適格合併における利益積立金額の引継ぎ
【第9回】
 適格合併における未処理欠損金額の引継ぎ
【第10回】
 欠損等法人・特定支配関係による適格合併(その1)
【第11回】
 欠損等法人・特定支配関係による適格合併(その2)
【第12回】
 特定適格合併と「共同で事業を営むための合併」
【第13回】
 適格合併における減価償却資産の引継ぎ
【第14回】
 適格組織再編税制における減価償却資産と利益積立金額(その1)
【第15回】
 適格組織再編税制における減価償却資産と利益積立金額(その2)