Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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経済体制論 II 源河 朝典
選択  2単位
【経営】 10-1-1110-0671-08A

1. 授業の内容(Course Description)
 授業では、「市場とはなにか」を問題意識として毎回の主題を設定する。わたしたちが暮らしている日本の経済体制は資本主義経済体制であり、その経済メカニズムは市場である。現代のグローバリズムの特質は、市場が世界経済を包み込んでいることにある。グローバリズムの転回点はソ連邦の崩壊であり、1990年前後に社会主義計画経済を放棄して市場経済への移行を開始した国々はユーラシア大陸にまたがって30を超える。授業では、20世紀における社会主義の経験と現在における移行経済諸国の経験をも視野に入れて、実際の経済事象および経済学のトピックスに主題を求める。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 世界的な連関のなかで現実の経済が成り立っている枠組みと仕組みを理解し、現代のさまざまな経済問題について自分で考え判断する手がかりをつかむことが目標である。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験で評価する。積極的な授業参加姿勢および出席良好については考慮する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 黒田明伸著『貨幣システムの世界史 <非対称性>をよむ』岩波書店、2003年。
 池本修一・岩崎一郎・杉浦史和編著『グローバリゼーションと体制移行の経済学』文眞堂、2008年。
 吾郷健二・佐野誠・柴田徳太郎編『現代経済学 市場・制度・組織』岩波書店、2008年。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業では受講生と私との間の独自の双方向カードを使用します。授業の感想、質疑、提言などを積極的に書いてください。リアルタイムでの授業の工夫と改善に活用します。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 秋期の授業への案内
【第2回】
 現代の経済 市(いち)・市場(いちば)・市場(しじょう)
【第3回】
 人間の経済 物物交換経済と商品交換経済と
【第4回】
 貨幣の威力・貨幣の魔力
【第5回】
 経済観・経済思想 貨幣への憧れ
【第6回】
 経済観・経済思想 貨幣への憎悪
【第7回】
 貨幣の機能 市場の秩序
【第8回】
 市場と貨幣への決別 ソ連型計画経済
【第9回】
 合理的経済活動の規範 市場の場合
【第10回】
 合理的経済活動の規範 計画の場合
【第11回】
 合理的経済活動の規範 仮設的利子
【第12回】
 20世紀ソ連型計画経済崩壊の含意
【第13回】
 市場の暴走
【第14回】
 21世紀経済体制のビジョンを求めて
【第15回】
 まとめと試験