Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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開発経済論 II 鏡  武
選択  2単位
【経営】 10-1-1110-1695-06A

1. 授業の内容(Course Description)
 開発途上国は世界の人口の85%を占め、重要な資源の生産や輸出によって世界経済に大きな影響を及ぼす国々が少なくありません。また多発する紛争で人権問題を引き起こしたり、世界の安全保障の面で不安定化の原因になったり、インフルエンザやHIV等、世界的な感染症の発源地になったりする国々もあります。
 日本の近隣の国では、中国やインドなどが目覚ましい経済発展を見せて、これからの世界の政治経済に大きな発言力を持とうとしてます。
 このような開発途上国が直面している問題、その解決のために、日本を始め、先進国はどんな協力をしてきたか、またこれからどうすべきか。こういう問題を学習していきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 春期での講義、即ち開発途上国の現状、それらの日本を含む先進国との関係といった点についての講義を基礎に、秋期で、そのような途上国に、日本始め先進国はどのように援助してゆくべきか、また新たに援助国に入ってくる国々との関係をどうするかといった点を理解すること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 試験の成績に加え、出席状況も重視します。授業の最初と最後に出席登録して授業には出ない場合、大幅な成績減点の対象になります。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 講義の際に配布するプリントを基礎としますが、参考書として以下も利用。
 参考書:(1)『国際協力論を学ぶ人のために』(世界思想社)内海 成治 編。
(2)『国際協力』(有斐閣選書)下村 恭民、辻 一人、稲田 十一、深川 由起子 著。
(3)『国際開発論』(日本評論社)斉藤 文彦 著。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 現在の世界における時事的な問題にも適宜触れながら講義をするので、日頃から新聞その他で、ODAや環境問題など開発途上国に関する問題に関心を払うようにすること、また教室でも積極的な質問、意見表明を歓迎します。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 Part II:開発のための国際協力
 1.国際協力の全体像
  (1)基本的理念
  (2)途上国への国際協力にはどんなものがあるか イ)全体像
【第2回】
     ロ)ODAとは
【第3回】
 2.開発援助は戦後、どのように移り変わってきたか
  (1)戦後から1980年代まで
【第4回】
  (2)1990年代以降、最近の援助アプローチ
【第5回】
  (3)途上国への開発資金の流れ:不足する開発資金
【第6回】
  (4)大切な技術の移転
【第7回】
 (これまでのまとめ又は中間テスト)
【第8回】
 3.日本の開発援助
  (1)日本の援助(ODA)の仕組み
【第9回】
  (2)援助政策はどんな理念で進められるか?
  (3)「総合安全保障」との関係
【第10回】
  (4)PKO支援
  (5)日本の援助の問題点は何か
【第11回】
 4.主要な国際機関の開発援助:
  (1)世銀、(2)国連機関
【第12回】
  (3)地域開発機構の活動:アジア開発銀行その他
  (4)NGOはどんな活動をしているか
【第13回】
 5.21世紀の国際開発支援:
  (1)紛争がらみの支援
  (2)東アジア金融危機
【第14回】
  (3)21世紀型の開発協力
【第15回】
 (まとめと期末テスト)