Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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インド経済論 I 清水 學
選択  2単位
【経営】 10-1-1110-1774-13A

1. 授業の内容(Course Description)
 この講義では中国とならびアジアの新興工業国として台頭しつつあるインド経済を取り上げる。2009年の日本の対印直接投資額は遂に中国を超えた。講義はインド経済の現状から出発するが、インド経済論Ⅰでは、現段階に至るインドとその経済の歴史を整理するとともに、インド経済が直面している主たる課題を概観する。インドは人口11億人で中国に次ぐ広大な国で、歴史も古い。その経済は地域的格差も大きく、独自の発展戦略を模索してきたが、世界経済における比重を着実に高めつつある。この20年ほど、息の長い高成長が続き、現在の世界不況下でもプラス成長を続けており、一定の豊かな中間層の形成が見られる。また議会制民主主義の発展という点では、中国とは異なる条件のもとでの発展モデルを示している。この躍動するインド経済を明暗を含め多面的に考察することを課題とする。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 インドとインド経済に関する基礎的な知識を習得すると同時に、なぜインド経済を勉強する意義があるかについての自分の考え方をまとめること。同時に、多極化する世界経済を新興経済圏の視点から見ることにより、国際経済に対する見方を深める。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末定期試験によって評価する。必要に応じて出席を加味する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:配布プリント。
 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参考。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎する。また、未知の世界を知ってそこから将来の生き方・職業を考えようとする学生の聴講を期待する。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 インド経済が注目される理由は何か。日印経済関係の進展。
【第2回】
 インドの地政学的位置づけ
【第3回】
 インドの経済・社会の歴史(1)
 イギリスの植民地化以前の歴史
【第4回】
 インドの経済・社会の歴史(2)
 イギリス植民地時代(東インド会社)
【第5回】
 インドの経済・社会の歴史(3)
  イギリス植民地時代(直轄統治時代)
【第6回】
 インドの経済・社会の歴史(4)
  独立運動とその思想
【第7回】
 独立運動とインドの各種経済開発計画
 「社会主義型社会」の理念と構造:国家主導輸入代替工業化戦略会の歴史
  各種の経済再建計画。
【第8回】
 独立後インドの経済発展の特徴
【第9回】
 経済開発政策の転換(1991年)
【第10回】
 計画委員会・産業・投資政策と規制緩和
【第11回】
 財政政策と財政委員会
【第12回】
 金融政策と資本市場
【第13回】
 インド財閥の話(ターターとリライアンス)
【第14回】
 注目されるIT産業の事例
【第15回】
 インド経済論Ⅰの総括