Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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地理学特殊講義 I 井口 悦男
教職  2単位
【教職】 10-1-1500-0027-17A

1. 授業の内容(Course Description)
 状況や意志の伝達には、現在、主に文字による文章・書物や書類で行われる。これを補ない、かつ、文字あるいは文章で果たせない部分を分担するものに図(絵および記号)がある。この図が、ほかの思考に比べ、大きな意味をもつものに地理があげられる。地域特性を考えようとする地理にとり、その地域を表現する図(地図)が出発点であるとともに、すでに地域がこれに表現されていることにほかならない。
 春期( I )には、明治以降の日本における近代的地形図成立の概要を述べ、秋期( II )には、地形図特有の表現について、その読みとり作業を進める。各期いずれも後半には、読図効果を確かめるため、各自の作図演習を実施する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 日本の地図の基本図である「地形図」の表現に慣れる。そして、「地形図」に描かれた各種多数の情報を、必要に応じ、引き出せるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 各自の地形図からの作品評価 60%、授業参加度 40% なお、本講義は、諸君が時間をかけ作成した地形図作業結果にもとづくので、追、再試などを行なえないことを了承していただく。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:毎回必要な地形図は、当初期配布(モノクロコピー)。
      春期、六甲山地と神戸(地塁と崖錐下の港湾巨大都市)。秋期、奈良盆地(代表的盆地地形と歴史的景観) 各自の教室作業は、これらの図(5万分1「神戸」、「桜井」「奈良」)による。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 講義後半、教室での作業(ものさし、えんぴつ、消しゴム等各自準備)を重ね、各自の作品(作図)が提出できること。なお、くり返すが作図作品提出による評価という条件から、追、再試は実施できないので注意のこと 。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 自己紹介、そして日常と地図とのかかわり(導入1)
【第2回】
 文章と図との相互関係(導入2)
【第3回】
 日本地形図の基本構成 1
 世界図の一部としての共通座標、記号など
【第4回】
 日本地形図の基本構成 2
 各縮尺図相互の位置関係
【第5回】
 日本地形図の基本構成 3
 周辺諸国の図との比較 韓国
【第6回】
 日本地形図の基本構成 4
 周辺諸国の図との比較 中国・ロシアなど
【第7回】
 日本近代地形図の成立 1
 伊能図から仮製図(関東)まで
【第8回】
 日本近代地形図の成立 2
 各地迅速測図の成立
【第9回】
 日本近代地形図の成立 3
 正式2万分1図作成から5万分1図への変更
【第10回】
 日本近代地形図の成立 4
 20万分1輯製図から帝国図に
【第11回】
 作図演習 1
【第12回】
 作図演習 2
【第13回】
 作図演習 3
【第14回】
 作図演習 4(提出)
【第15回】
 仕上げ(講評・返却)