Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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教職論 鞍馬 裕美
教職  2単位
【教職】 10-2-2120-1644-21A

1. 授業の内容(Course Description)
 将来、教師を志望しているあなたは、なぜ、自分は教師を希望するのか、自分は教師に向いているのか、教師になるには大学でどんな勉強をすればよいのかなど、深く考えたことはあるだろうか。漫然と夢見ているだけでは、教師になれない。教職を知ること、そして、自分を考え、自分を知ることが必要である。教職について知識を広め、理解を深めて、同時に自分をよく見つめて、適性を探り、将来プランを持つために、教職論を学ぶのである。
 これまで多数の教職にある人々−先生、教師、教員に出会い、幼児・児童・生徒として接して、どのような職業か何となく理解してきている。しかし、それは教職の一面を捉えたに過ぎず、漠然としたものである。教職を目指すならば、できるだけ深く教職について知ることが重要になる。教職を抽象的・空想的・観念的に理解するだけでなく、具体的・現実的・実践的に理解することが必要である。また、第三者の視点で教職を見るだけでなく、近い将来の自分である当事者の視点でも教職を見詰めることが大切である。
 この科目を履修することによって、教職に関する関心を高めて知識理解を深めるとともに、資質・能力の向上に努めながら自己の適性について洞察し、教職に対する態度形成を図り、自分は教職課程の履修を続けるべきか、どうかを的確に判断できる力をつけることを目指している。
 そのため、学校教育と教職の意義、教員の役割、職務内容、研修等、教職について歴史、理念、制度、実態など多角的多面的に探究していく。また、学習活動を通して客観的に自分を見詰めて自己分析、自己理解を進め、教職への適性を把握し、これからの課題の明確化を図る。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 (1)教職について関心をもち、教職の意義、教員の役割、職務内容、研修等、基礎的・基本的な事項について、積極的に調べ、考え、表現することができる。
 (2)自己の資質向上に努めるとともに、能力・適性について考察を深め、教職への理解、目的意識、学習意欲の有無を自らに問い、教職課程履修の継続を責任を持って判断することができる。
 (3)教職志望の目的や理由、目標達成を目指す教職課程修得への決意や学習計画について、筋道を立てて分かりやすい文章で説明できる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業への参加状況(授業内での学習活動) 及び、
 授業の到達目標の達成度を課題レポートによって評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 共通のテキストは使用しない。テキスト、参考文献等については各担当教員が指示する他、適宜推奨図書を紹介したり、必要な資料を配付したりする。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 教職を志す人は、先ずこの科目を学ぶ必要がある。毎回の授業内容を確実に理解し、自己の進路の選択に生かしていかなくてはならない。授業内容が欠けると教職課程全体の履修に影響するので、全回出席を目指して欲しい。授業態度や学習活動については教員の指導をしっかり受け止め。授業内容にかかわる課題(宿題)にきちんと取り組むこと、教職への適性を探り、教職課程の履修の是非を見定めることを望む。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
 取り上げる内容や教材、授業の方法等は、各担当教員それぞれが研究し、工夫して行うが、基本的には以下の事項について取り上げる。
【第1回】
 オリエンテーション 授業の目標、内容、進め方、教材・資料、成績評価
 ・教職の意義  教職とは、
【第2回】
 先生・教師・教員−様々な教職像
 ・「私が出会った先生と目指す教師像」
 ・教師の実践記録 歴史の中の教師 物語の中の教師
 ・教職の魅力、教師の生きがい
【第3回】
 教職への進路(1)−大学における教員養成
 ・教職への願い・希み
 ・教員の資格と教員養成
 ・求められる資質・能力と履修科目
 ・帝京大学における教員養成の理念と教職課程
【第4回】
 学校と教職の歴史
 ・学校教育と教職の歴史
 ・教職の成立、教員の誕生、教職観の変遷
【第5回】
 学校教育と教員の役割
 ・学校教育の目的
 ・教員の使命
 ・教員の役割と仕事
【第6回】
 教職の特性と教職観
 ・職業としての教職の特異性
 ・聖職者、労働者、教育公務員、専門職
 ・教職専門性の追究
【第7回】
 教員の職務
 ・教員の日常−仕事と生活
 ・教員の生涯−ライフサイクルと生きがい
 ・子どもの教育を担う、学校を担う
【第8回】
 教師の教育活動(1)
 ・教育課程と学習指導・生徒指導
 ・教育課程の構造とその編成・実施・評価
【第9回】
 教師の教育活動(2)−授業者として
 ・学習と教授-児童生徒の学習・教師の指導
 ・授業づくり-計画・準備・実践・評価・改善
【第10回】
 教師の教育活動(3)−学級担任として
 ・学級担任と学級経営−学習集団づくり
 ・児童生徒理解と心のケア
 ・健全育成と生徒指導
【第11回】
 学校組織と教員の種類-学校の一員として
 ・学校に必要な教員の種類と職務
 ・学校運営と校務分掌組織
【第12回】
 教員の身分と服務
 ・教員の任免、服務規律
 ・分限と懲戒
 ・勤務条件
 ・職場環境と教員文化
【第13回】
 教員の資質向上と研修
 ・研修の意義と教員研修制度
 ・研修による力量形成と教師の成長
 ・教員のライフステージに応じた研修
 ・免許更新制度と更新講習
【第14回】
 教職への進路(2)−教員資格の獲得
 ・教員の資格−教員免許制度
 ・教員として最小限必要な資質能力の獲得と教職課程の修得
 ・介護等体験の意義と心構え
 ・教育実習への心構えと準備計画
 ・高度専門職業人と教職大学院
【第15回】
 教職への進路(3)−教員採用に向けて
 ・教員採用の状況
 ・いま、求められる教員
 ・教員の選考、採用試験の概要と準備
 ・自己の適性の吟味と進路相談