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授業の概要(ねらい) |
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この講義では第二次大戦の敗北後四ヵ国占領体制下に置かれながら冷戦体制のなかで東西ドイツに分断され、西ドイツ経済として復活し、1989年11月のベルリンの壁の崩壊、翌1990年10月の東西ドイツ統一を経てドイツ経済となる歩みのなかでの発展軌跡を説明する。この発展軌跡はナチス・ドイツの台頭に象徴される戦間期のドイツ経済が直面した激動の歴史に劣らぬ変動の時期である。西ドイツ経済ならびにドイツ経済は経済統合の基軸国であるからその考察は重要な意味合いを有している。
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2. |
授業の到達目標 |
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第二次大戦後の復興、経済の奇跡といわれる高成長期、石油危機以後、東西ドイツ統一を経て持続する長期不振といったドイツ経済の動向を深く理解してもらう。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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出席と試験による評価。
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教科書・参考書 |
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テキストとして、古内博行『現代ドイツ経済の歴史』東京大学出版会、2007年を用いる。参考文献は講義のなかで適宜紹介する。
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準備学修の内容 |
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テキストや毎回配布するレジュメを通じて予習・復習を心がけてください。
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その他履修上の注意事項 |
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欧州債務危機において打開の命綱となっているドイツ経済ですから何かとメディアで取り上げられる機会も多いと思います。そうしたことを契機にドイツ経済への問題関心を深めてください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション。現代ドイツ経済論の課題と視角 | 【第2回】 | ドイツ占領とドル条項 | 【第3回】 | ドル条項とマーシャル・プラン | 【第4回】 | 西ドイツ経済の復興と経済の奇跡 | 【第5回】 | EECの加盟と西ドイツ経済のジレンマ | 【第6回】 | マルク切り上げと1960年代前半の経済動向 | 【第7回】 | 1965年景気過熱と「転型期」 | 【第8回】 | 1966/67年不況の発生とその形態的特質 | 【第9回】 | 経済安定・成長促進法と総体的誘導政策 | 【第10回】 | 1960年代末以降の経済動向とマルク投機 | 【第11回】 | 1974/75年不況とその原因 | 【第12回】 | 高成長の反転と経済変調の始まり | 【第13回】 | 1981/82年不況とSPDの政治的凋落 | 【第14回】 | 1992/93年不況とドイツ経済の構造的難点 | 【第15回】 | まとめと総評 |
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