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授業の概要(ねらい) |
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20世紀後半に確立されてきたジェンダー法学は、普遍的、中立的、客観的な体系としての既存の法律学は男性の視点から構築されてきたものであり、女性の存在を排除してきたと批判し、社会とあらゆる法分野で真の男女平等を実現する新たな価値の体系を作り出すことを主張する。本授業では、前期に引き続き様々な法分野をジェンダーの視点で見直す。扱う予定の領域は、教育、家族、雇用と労働、貧困と社会保障、不法行為、女性に対する暴力、セクシュアル・ハラスメント、リプロダクション、政治と行政、司法などであるが、受講生の関心に合わせて具体的なテーマを決定する。 授業は教員による講義と履修生による報告で構成される。
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2. |
授業の到達目標 |
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①ジェンダー概念を正しく理解する ②ジェンダー概念に基づき、現実の社会慣行や法制度の問題点を発見する能力を養成する
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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報告、議論への参加度、出席状況を総合評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:犬伏由子・井上匡子・君塚正臣編『レクチャー ジェンダー法』法律文化社 その他、テーマごとに参考文献を指示する。
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5. |
準備学修の内容 |
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毎回、授業での議論に参加できるようにテーマについて予習をしてくる。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業の形式や扱うテーマについては受講者の意見を取り入れながら進めていくので、積極的に発言してほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション | 【第2回】 | 判例研究「不法行為ー逸失利益の男女差」 | 【第3回】 | 判例研究「労働災害補償における男女差」 | 【第4回】 | 保険加入による男女差 | 【第5回】 | 判例研究「女性差別発言と名誉棄損」、判例研究「入会権:女人禁制のメンバーシップ」 | 【第6回】 | 判例研究「職場におけるセクシャル・ハラスメント」 | 【第7回】 | 政策と法制度「家族的責任とワーク・ライフ・バランス」 | 【第8回】 | 育児介護休業法 | 【第9回】 | 社会保障と女性の貧困、判例研究「婚姻によらないで懐胎した児童の父による認知と児童扶養手当」 | 【第10回】 | リプロダクション、セクシュアリティ | 【第11回】 | 性的少数者、判例研究「性同一性障害者とその妻が産んだ子の嫡出父子関係」 | 【第12回】 | 相続法、判例研究「祭祀財産の承継者」 | 【第13回】 | 相続法、判例研究「内縁配偶者の保護」 | 【第14回】 | 相続法、判例研究「相続財産と遺産分割」 | 【第15回】 | まとめ |
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