Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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比較地域学方法論 I 石川 敬史
選択  2単位
【日本史・文化財学専攻】 17-1-1340-4649-14

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、環大西洋史研究における新進気鋭の研究者の著作を講読し、イギリス領北アメリカ植民地が、大西洋世界の中で生成し、独立し、さらには国家の創設に至る過程を検討する。テキストの講読を通して、歴史文献、法律文書の調べ方を学ぶ。

2.
授業の到達目標

 環大西洋史という視座を獲得する。
 学術論文作成に必要な素養を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加姿勢、特に発言の活発さへの評価50%
 報告レジュメへの評価50%

4.
教科書・参考書

 田中きく代、阿河雄二郎、金澤周作[編著]『海のリテラシー―北大西洋海域の「海民」の世界史』(創元社、2016年)

5.
準備学修の内容

 受講者は授業で検討する文献の箇所を事前に熟読し、自分のコメントを用意しておく。
 受講者は、必ず複数回報告者を担当する。報告者となった場合は、報告レジュメを用意する。

6.
その他履修上の注意事項

 受講者の主体的な参加姿勢がなければ成立しない授業なので、自分自身が授業を作り上げるつもりで出席していただきたい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 テキストについての解説と、授業の運営方針を説明する。報告担当の割振りを決める。
【第2回】
 第一章「難破譚の中の船乗り―近世ヨーロッパの船とサバイバル」講読
 報告者による報告と内容検討
【第3回】
 第二章「船乗りと航海譚―英領アメリカ植民地における貿易と情報伝達」講読
 報告者による報告と内容検討
【第4回】
 第三章「侵犯する「海民」―『ペンシルヴァニアのアルジェリア人スパイ』を中心に」講読
 報告者による報告と内容検討
【第5回】
 第四章「海運業界紙の市況展望―一九世紀前半におけるオーストラリア領トリエステからみた両アメリカの可能性」講読
 報告者による報告と内容検討
【第6回】
 第五章「貿易商人マテュラン・トロティエ―ナポレオン時代における奴隷貿易の利潤と情報」講読
 報告者による報告と内容検討
【第7回】
 第六章「黒人船長ポール・カフィ―アボリッショニズムと環大西洋商業ネットワーク」講読
 報告者による報告と内容検討
【第8回】
 第七章「奴隷商人セオフィラス・コノウ―一九世紀前半の環大西洋非合法ネットワーク」講読
 報告者による報告と内容検討
【第9回】
 第八章「靴職人ジョゼフ・ライ―一九世紀初頭マサチューセッツ州リンにおける副業としての漁業」講読
 報告者による報告と内容検討
【第10回】
 第九章「石干見のアーケオロジー―大西洋沿岸域における石積み漁法に関する予察的研究」講読
 報告者による報告と内容検討
【第11回】
 第一〇章「近世フランスの北大西洋世界―港湾ネットワークからみた多重経済構造」講読
 報告者による報告と内容検討
【第12回】
 第一一章「一八世紀フランスの〈小さな港〉―ミクロ資本主義の海域社会史」講読
 報告者による報告と内容検討
【第13回】
 第一二章「デンマークの西インド諸島―黒人奴隷制度史とカリブ海」講読
 報告者による報告と内容検討
【第14回】
 補論
【第15回】
 総括と質疑応答