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授業の概要(ねらい) |
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論文において実証的な主張をする場合には、社会科学においては統計データを使うことが多い。既存統計データが存在すればそれを利用すればよいが、存在しない場合は自分でデータを収集しなければならない。統計データの収集方法として社会調査は極めて重要で有力な手段である。統計データの収集を主たる目的として社会調査がどのように行われているかを、社会科学を学ぶ者は知らなければならない。 まず世論調査等や国勢調査などのさまざまな社会調査がどのような目的を持ち、どのように行われているかを解説し、その調査の精度を考える。その後、社会調査の社会科学における意義をあらためて検討し、モデル構築と因果関係の推測の問題、調査の設計などを、理論の実証を如何に行うのかという観点から解説する。それらの知識を背景として、社会調査の企画書を作成し、簡単な調査票調査の実施をシミュレーションしてみる。
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2. |
授業の到達目標 |
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社会調査について専門的な知識を身に付け、社会調査の企画書を製作し、作成された調査票と分析結果がイメージできることを目指す。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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宿題・課題等の達成度40%、平常点60%として評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:『社会調査法入門』(有斐閣ブックス)盛山 和夫 著、有斐閣
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準備学修の内容 |
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社会調査について、教科書の各章の割り当てがあるので発表者はその準備をすること。発表者でない受講生も、その章に関する質問・疑問点を整理しておくこと。それから、調査の企画書を制作することが課題となる。
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その他履修上の注意事項 |
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社会調査の本質的な理解を目指してともに学びたい。大学院の授業は教員とともに考えることに意義がある。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 第1部序論 社会調査とは何か? 理論と社会調査 社会科学のパラダイム 社会理論の要素 | 【第2回】 | 社会調査における因果関係 決定論と社会科学 個性記述的モデルと法則定立的モデルにおける因果関係 因果関係の基準 | 【第3回】 | 因果関係の推測問題 間違った因果関係の推測 変数の測定方法と相関関係のつながり | 【第4回】 | 研究の構図 調査の3つの目的 分析単位 時間軸 | 【第5回】 | 概念化、操作化 概念化 記述的および説明的研究における定義 操作化 | 【第6回】 | 標本抽出の起源 標本抽出の歴史 非確率抽出法 | 【第7回】 | 確率抽出法の理論と論理 確率論、標本分布、および標本誤差の推定 母集団と標本抽出率 | 【第8回】 | 調査設計 調査設計の手順 調査企画書 | 【第9回】 | 企画書の発表会と調査企画の選定 | 【第10回】 | 調査票の作成(1) | 【第11回】 | 調査票の作成(2) | 【第12回】 | 調査票の作成(3) | 【第13回】 | Web調査票による実査の結果の集計分析(1) | 【第14回】 | Web調査票による実査の結果の集計分析(2) | 【第15回】 | 企画書報告会 |
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