1. |
授業の概要(ねらい) |
|
本講は、秋期に開講される臨床心理学特論である。 保育や教育現場における心理相談のニーズがますます高まりつつある現状を踏まえ、「育児・保育・教育現場での発達とその支援」を中心にとりあげる。その際、個の問題(発達や障害など)は、個をとりまく生活環境(関係や状況)との連関において生起している、という観点から、問題状況を分析し、そこから支援ニーズを把握し、支援を実践するまでの心理相談員としての支援方略について検討する。 授業は、講義方式と演習方式で進める。演習では、輪番制でテキストおよび学術論文の担当箇所を報告し、履修者全員でディスカッションすることにより、基礎理論および支援事例についての理解を深める。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
1)子どもと家族の置かれた社会的状況を知る。 2)発達臨床の考えに基づく心理的援助の実際と課題について学ぶ。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
春期に開講する臨床心理学特講を履修しないと単位は認められない。 グループディスカッション等授業に対する積極的参加、発表、テストなどを総合して評価する(目安として参加20%、発表30%、テスト50%)。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
参考書:内閣府(2013)『平成26年度 少子化社会対策白書』 石隈利紀・家近早苗・飯田順子(2014) 『学校教育と心理教育的援助サービスの創造』、学文社 藤崎春代・木原久美子(2010) 『「気になる」子どもの保育』、ミネルヴァ書房 その他、授業時に適宜紹介
|
5. |
準備学修の内容 |
|
1)発表者は、子どもと家族をめぐる社会的政策の動向を調べてくること。 2)そのほか、参考文献を読み合わせて、テキストの内容に関して問いを考えて授業に臨むこと。 3)参加者も(発表者でなくても)、テキストを読み込んで授業に臨むこと。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
子育て支援センター、保健センター、教育センター、保育所、幼稚園、学童保育所などの発達臨床の現場に積極的に見学に行き、現場に対する具体的なイメージを持つことが必要である。 また、適宜グループディスカッションを行う予定である。ディスカッションでは、他者の意見を聞くことと、自らの考えを語ることの循環から生成される知とはどのようなものなのかを、体験的に学ぶ機会とする。 なお、授業は進行状況によっては変更もありうる。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 以下のテーマについて、輪番制で発表を担当し、議論へ向けた検討点を整理する。参加者はグループに分かれて発表者が提示した検討点について議論を深める。 発達臨床の専門性と領域 | 【第2回】 | 現場から見た発達・現場のなかでの発達とその今日的問題 | 【第3回】 | 現場での支援・現場での支援の考え方、支援の基本的姿勢、支援者の基本的姿勢 | 【第4回】 | 育児・保育・教育現場での支援の理論的基礎と方法・発達臨床の専門性、アセスメントの考え方1 | 【第5回】 | アセスメントの考え方2 | 【第6回】 | 園生活における支援の実際 | 【第7回】 | 保育者が気になる子どもとは | 【第8回】 | 保育の中での支援とは | 【第9回】 | 保育に対して心理職ができること | 【第10回】 | 学童保育所における支援の実際 | 【第11回】 | 指導員が気になる子どもとは | 【第12回】 | 学童保育所での支援とは | 【第13回】 | 学童保育に対して心理職ができること | 【第14回】 | 保護者の支援 | 【第15回】 | まとめとテスト |
|