Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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学習心理学特論 高田 孝二
選択  4単位
【臨床心理学専攻】 17-1-1360-0320-01

1. 授業の概要(ねらい)

 「嗜癖的行動」(addictive behaviors;行動のアディクション)は、米国精神医学会の診断基準であるDSMの第5版(DSM-5)において、これまでの物質依存(薬物依存)を改め、「物質関連障害および嗜癖性障害群」との分類を設けたことや、我が国においてカジノ解禁を含む「IR推進法案」が成立したこととも相俟って、大きなテーマとなっている。「嗜癖」(アディクション)という用語に明確な科学的定義は存在しないが、この用語が用いられる対象となる行動は、強固かつ過剰な反復行動といえ、この点は、多くの問題行動に共通する特徴である。
 ここでは文献抄読により、依存の概念や研究法を学び、疾病としての依存症(行動のアディクションを含む)を含め、「強迫」など、類似の行動特性を有する障害について概観し、なんらかの報酬により形成維持された行動が「やめられない」状態になるメカニズムを、動物モデルを含め、考察する。さらに、ハームリダクションの概念に基づく予防や治療について学び、ついで、薬物依存の形成や程度に性差がみられることから、上記の点に関する性差についても考察する。

2.
授業の到達目標

 「嗜癖」(アディクション)について学ぶとともに、「evidence-based」の考え方、方法論を学び、身につける。

3.
成績評価の方法および基準

 発表、レポート、質疑内容(70%)、最終レポート(30%)で評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストは文献(英文を含む)などより適宜配布。
 参考文献:米国精神医学会『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(2013)、WHO『ICD-10 精神および行動の障害』(1993)など

5.
準備学修の内容

 発表やレポートは、テキスト内容の紹介のみならず、独自の観点からの考察が必要です。このため、テキストだけではなく、関連文献・情報を精査してください。報道や著作物の内容を鵜呑みにせず、キイとなる事象については「ウラ」をとる習慣をぜひ身につけてください。

6.
その他履修上の注意事項

 「嗜癖的行動」の行動特性やその発現・修飾kメカニズムを探ることは、いわゆる自助グループや、「治療共同体」の果たす行動学的意味の分析にもつながります。抄読文献は英文も視野に入れていますが、積極的な参加を期待します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス、抄読資料配布・割り当て
【第2回】
 文献抄読・討議
【第3回】
 文献抄読・討議
【第4回】
 文献抄読・討議
【第5回】
 文献抄読・討議
【第6回】
 文献抄読・討議
【第7回】
 文献抄読・討議
【第8回】
 文献抄読・討議
【第9回】
 文献抄読・討議
【第10回】
 文献抄読・討議
【第11回】
 文献抄読・討議
【第12回】
 文献抄読・討議
【第13回】
 文献抄読・討議
【第14回】
 文献抄読・討議
【第15回】
 文献抄読・討議、まとめ
【第16回】
 抄読資料配布・割り当て
【第17回】
 文献抄読・討議
【第18回】
 文献抄読・討議
【第19回】
 文献抄読・討議
【第20回】
 文献抄読・討議
【第21回】
 文献抄読・討議
【第22回】
 文献抄読・討議
【第23回】
 文献抄読・討議
【第24回】
 文献抄読・討議
【第25回】
 文献抄読・討議
【第26回】
 文献抄読・討議
【第27回】
 文献抄読・討議
【第28回】
 文献抄読・討議。最終レポートテーマの提示
【第29回】
 文献抄読・討議
【第30回】
 文献抄読・討議、まとめ