1. |
授業の概要(ねらい) |
|
「嗜癖的行動」(addictive behaviors;行動のアディクション)は、米国精神医学会の診断基準であるDSMの第5版(DSM-5)において、これまでの物質依存(薬物依存)を改め、「物質関連障害および嗜癖性障害群」との分類を設けたことや、我が国においてカジノ解禁を含む「IR推進法案」が成立したこととも相俟って、大きなテーマとなっている。「嗜癖」(アディクション)という用語に明確な科学的定義は存在しないが、この用語が用いられる対象となる行動は、強固かつ過剰な反復行動といえ、この点は、多くの問題行動に共通する特徴である。
ここでは文献抄読により、依存の概念や研究法を学び、疾病としての依存症(行動のアディクションを含む)を含め、「強迫」など、類似の行動特性を有する障害について概観し、なんらかの報酬により形成維持された行動が「やめられない」状態になるメカニズムを、動物モデルを含め、考察する。さらに、ハームリダクションの概念に基づく予防や治療について学び、ついで、薬物依存の形成や程度に性差がみられることから、上記の点に関する性差についても考察する。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
「嗜癖」(アディクション)について学ぶとともに、「evidence-based」の考え方、方法論を学び、身につける。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
発表、レポート、質疑内容(70%)、最終レポート(30%)で評価する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは文献(英文を含む)などより適宜配布。
参考文献:米国精神医学会『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(2013)、WHO『ICD-10 精神および行動の障害』(1993)など
|
5. |
準備学修の内容 |
|
発表やレポートは、テキスト内容の紹介のみならず、独自の観点からの考察が必要です。このため、テキストだけではなく、関連文献・情報を精査してください。報道や著作物の内容を鵜呑みにせず、キイとなる事象については「ウラ」をとる習慣をぜひ身につけてください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
「嗜癖的行動」の行動特性やその発現・修飾kメカニズムを探ることは、いわゆる自助グループや、「治療共同体」の果たす行動学的意味の分析にもつながります。抄読文献は英文も視野に入れていますが、積極的な参加を期待します。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | ガイダンス、抄読資料配布・割り当て | 【第2回】 | 文献抄読・討議 | 【第3回】 | 文献抄読・討議 | 【第4回】 | 文献抄読・討議 | 【第5回】 | 文献抄読・討議 | 【第6回】 | 文献抄読・討議 | 【第7回】 | 文献抄読・討議 | 【第8回】 | 文献抄読・討議 | 【第9回】 | 文献抄読・討議 | 【第10回】 | 文献抄読・討議 | 【第11回】 | 文献抄読・討議 | 【第12回】 | 文献抄読・討議 | 【第13回】 | 文献抄読・討議 | 【第14回】 | 文献抄読・討議 | 【第15回】 | 文献抄読・討議、まとめ | 【第16回】 | 抄読資料配布・割り当て | 【第17回】 | 文献抄読・討議 | 【第18回】 | 文献抄読・討議 | 【第19回】 | 文献抄読・討議 | 【第20回】 | 文献抄読・討議 | 【第21回】 | 文献抄読・討議 | 【第22回】 | 文献抄読・討議 | 【第23回】 | 文献抄読・討議 | 【第24回】 | 文献抄読・討議 | 【第25回】 | 文献抄読・討議 | 【第26回】 | 文献抄読・討議 | 【第27回】 | 文献抄読・討議 | 【第28回】 | 文献抄読・討議。最終レポートテーマの提示 | 【第29回】 | 文献抄読・討議 | 【第30回】 | 文献抄読・討議、まとめ |
|