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授業の内容(Course Description) |
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民法は、市民社会における人々の関係を、権利と義務という概念で規律するものと捉えることができる。かかる民法の概念の中で、人が他人に対して一定の行為を請求する権利を債権と呼ぶ(義務を負担する側からは、債務といわれる)。債権を発生させる原因は、民法上4つあるが、その中で典型的な原因が契約である。契約を理解するということは、民法を学ぶ上で重要な要素となる。 契約に適用される規律を契約法というと、民法典の中での契約法はどうなっているであろうか。契約法というと民法典の第三編第二章の契約を指すことがある(これは狭義の契約法といわれる)。しかし、民法典の中でも、民法総則の法律行為等とか、債権総論の一部(履行強制、損害賠償、弁済)などが、広義の契約法という観点から含まれることとなる。この広義の契約法の理解を深めることが、前期の契約総論及び後期の契約各論の目的となる。即ち、契約総論では、広義の契約法のうちから、民法549条以下を除いた部分を主として学ぶ(但し民法総論A・Bで学んだ部分と重複する部分もあるので、その部分は簡略化することあり)。 また、549条以下の部分であっても売買に関連する部分では、契約一般に適用される部分もあるので、当該関連部分については、本契約総論でも触れることとする。 尚、契約総論を履修する学生は、後期の契約各論も履修されることを勧めるが、後期の契約各論の履修希望者はこの契約総論の履修が必須となる。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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契約という概念をキーワードとして捉え、契約の一生(成立、効力、債務の履行と契約違反、その救済方法、および契約の終了)を総合的に把握することを目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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15回目の授業で実施する授業内試験(論文式)の結果をもって100%評価する。 都度の授業の出席を評価の一部とはしないが、授業に出席することが肝要である。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストとして、有斐閣発行の『はじめての契約法 第2版』笠井 修 他を使用する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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本講座は後期の解約各論と共に契約法の重要部分を構成する。後期の契約各論も選択されることを薦める。 また授業にはできるだけ出席することが重要であることを認識すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 本講座のイントロダクション 【第2回】 契約と契約法 【第3回】 契約に関する法制度の概観 その1 【第4回】 契約に関する法制度の概観 その2 【第5回】 契約の成立 【第6回】 契約の効力 その1 【第7回】 契約の効力 その2 【第8回】 契約の履行 【第9回】 契約違反 【第10回】 契約違反への対処方法 その1 【第11回】 契約違反への対処方法 その2 【第12回】 契約の終了 その1 【第13回】 契約の終了 その2 【第14回】 総まとめと予備 【第15回】 最終授業 まとめ・授業内試験(論文式)
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