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授業の内容(Course Description) |
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精神分析学は、フロイトによって創始された人間のこころを研究する方法であり、その方法によって得られた経験の集大成であり、理論であり、治療の技術である。その基本仮説は、人格や性格や精神機能のうちに、発生的、力動的、経済的な一連の現象を展開させている無意識の過程の存在である。実際に成人の患者を理解するための基本的な方法は、自由連想法と呼ばれる。 精神分析学は、はじめから学問体系を作り上げようとして構築された抽象的な論理的一貫性のある学問ではなく、あくまでも治療という臨床現場の要請にこたえようとしているうちに構築されてきた極めて人間的な、未だに変化しつつある学問体系であり臨床的知見であり治療法であり人間理解の方法である。本講義では、そうした方法論的特徴に基づく限界や有用性を踏まえつつ、精神分析学の基本の概要を学ぶことを目的とする。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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精神分析学の基本理論の概要を系統的に学び、知識を習得することを目指す。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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小テストあるいは講義ノート20%、定期試験80%の予定である。出席は義務づけないが、期間中数回講義ノートの提出という形で出席を取り、出席者には5%加点する。また、講義中の積極的な発言には5%加点する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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未定。講義でその都度提示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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真剣に学ぼうとしている他の学生の邪魔をしないこと(私語、携帯電話など)。 主体的、創造的な参加が望まれる。 池田のHP:http://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/~m-ikeda/index.htmを適宜参照すること。 (パスワードは8号館7階心理学実験準備室前に掲示する。)
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授業の計画(Course Syllabus) |
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以下の予定であるが、あくまでも目安である。 【第1回】 序論 精神分析とは?フロイト、主たる学派、学会など 【第2回】 I 無意識の存在 (1)無意識の発見と証明 (2)夢判断 【第3回】 II 自由連想法 【第4回】~【第14回】 (途中に小テストを行う可能性あり) III メタサイコロジー (1)序 (2)基本用語 (3)局所論(構造論)的観点 (補)不安について (4)力動論的観点 (5)エネルギー経済論的観点 (6)適応論的観点 (7)発生・発達論的観点 固着と退行について、精神性的発達論、エリクソンの理論 口唇期、肛門期、エディプスコンプレックスと男根期、潜伏期(児童期前期)、前思春期(児童期後期)、思春期前期、思春期中期、思春期後期(青年期)、初期成人期(後青年期)、成人期(中年期、老年期) 【第15回】 試験
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