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授業の内容(Course Description) |
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ヨーロッパ文化は日本の近代化にとって何時も大きな目標であった。ヨーロッパ社会が生んだ政治、経済、社会制度や文化は今日世界の標準となっているところが多い。ただ、これらの制度や習慣は、ヨーロッパの経済活動の中で生まれてきたものが多い。ヨーロッパをより深く理解するため、また現代日本の制度や仕組みの成り立ちを理解する意味で、ヨーロッパの経済の発展プロセスを知ることは重要である。ヨーロッパ経済論Iでは第一次大戦までヨーロッパを扱う。後期はヨーロッパ諸国が経済、政治的に統合していく過程を学ぶ。I、IIを通して受講する事を期待する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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ヨーロッパの古代から中世、近世に至る歴史の流れの中で、経済活動がどのように変化をし、経済活動がそれぞれの時代の人々の社会や生活にどう関係し、影響を及ぼしてきたかを自分なりに想像できるようなイマジネーション力を養うことを目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テスト(記述式)60%、出席点40%。なお、出席率3分の1以下の者は成績評価しない。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書:『経済大国興亡史(上)』『経済大国興亡史(下)』(キンドルバーガー、岩波書店)、『概説西洋経済史』(荒井政治、有斐閣)、『現代ヨーロッパ経済史』(原 輝史、有斐閣)、『ヨーロッパ統合の行方』(宮島 喬、人文書院)『ヨーロッパ経済』(朝倉 弘教、けい草書房)、『イギリス経済史』(有斐閣)、『フッガー家の時代』(有斐閣)、その他
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ヨーロッパのEUを中心とした動きを世界的視野、歴史的視点でとらえること。幅広い関心を持って勉強しようとする学生を歓迎する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
「イントロダクション」:
ヨーロッパとは。地理、歴史、人種、言語、宗教などから見たヨーロッパ。ヨーロッパ経済の発展の大きな流れの概観。
【第2回】
「ギリシャ・ローマから中世ヨーロッパの経済」:
都市国家ギリシャの経済の成り立ち。巨大国際国家としてのローマの経済の仕組み。
【第3回】
中世ヨーロッパの経済発展。荘園経済から都市経済の発展へ。
【第4回】
「イタリアの都市国家経済」:
十字軍とイタリア都市国家の発展。ルネッサンス。とくにベニスの経済発展。
【第5回】
「大航海時代とイタリア都市国家の没落」:
フィレンツエの発展と没落。トルコの台頭と大航海時代の幕開け。初期重商主義の成立。
【第6回】
「重商主義の変質」:
オランダ、イギリスの台頭。新しい重商主義へ。宗教改革と職業の倫理。イギリス毛織物と農村工業の発達、初期資本主義の発展。
【第7回】
「イギリス産業革命と資本主義の成立」:
技術革新と産業革命。アダムスミスの重商主義批判と国富論
【第8回】
「イギリス産業革命の光と影」:
エンゲルスのイギリス労働者階級についての報告、トマスモアからの社会主義思想の系譜など。
【第9回】
「大陸ヨーロッパの産業革命(1)」:
フランスの産業革命−絶対王政、重商主義と重農主義、ドイツの産業革命−関税同盟からプロシャによるドイツ統一。国主導の富国強兵。
【第10回】
「大陸ヨーロッパの産業革命(2)」:
オーストリア−ヨーロッパの老大国。イタリア−分裂都市国家の統一への道。
【第11回】
「アメリカ独立戦争、ナポレオン戦争とイギリス経済」:
新たな国際展開と植民地経営。インド、中国。アヘン戦争へ。
【第12回】
「帝国主義の時代と植民地争奪」:
19世紀末の不況。自由主義から保護主義へ。植民地主義とアフリカ分割。
【第13回】
「第一次大戦とヨーロッパ政治経済」:
ベルサイユ体制。戦勝国と敗戦国。ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国の崩壊。トルコの衰退と南東欧の独立。パックスブリタニカからパックスアメリカーナへ。
【第14回】
「マルクス主義とヨーロッパ」:ロシア革命と社会主義の誕生。
【第15回】
まとめ
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