| １． |
授業の内容（Course Description） |
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中国の歴史展開は、都市国家の形成から領土国家への発展という道筋をたどる。城壁で囲まれた都市国家は、領土国家への発展の過程で、領土国家の都城や地方行政の中心となる郡城や県城に再編成されていく。したがって、中国では古来、都市とは城壁を伴うものというのが常識であり、現在でも都市のことを城市と呼ぶ。このような中国の城郭都市について、その起源から時代を追いながら簡明に述べる。近年の豊富な考古学上の発掘成果や、30年来の現地踏査で得られた知見をもあわせ紹介しながら講義を進めていきたい。秋期は春期の続きで南北朝期の後半ころからの歴史上有名な城郭都市を遺址を中心にたどることになろう。
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| ２． |
授業の到達目標（Course Objectives） |
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城郭都市の変遷を通して中国の歴史をたどり、中国史の連続性を再確認することが本講義の主要目標である。城郭都市の文献記録と、考古学的発掘による成果を連結させて、中国城郭都市の実像を具体的にイメ−ジすることを目指す。
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| ３． |
成績評価方法（Grading Policy） |
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出席点を加味しながら、原則として学期末の定期試験に基づいて評価する。試験では自筆ノ−トの持込を可とするから、板書を正確にまとめること。
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| ４． |
テキスト・参考文献（Textbooks) |
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参考書：愛宕 元・冨谷 至 編『中国の歴史』上、愛宕 元・森田 憲司 編『中国の歴史』下（昭和堂）。
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| ５． |
学生への要望・その他（Class Requirements） |
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東洋史特殊講義２A − I と連続した講義内容となっているので、２A − I の受講者は引き続き受講するのが望ましい。板書を中心とした講義となるので、毎回自分でノートをしっかりまとめること。
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| ６． |
授業の計画（Course Syllabus) |
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【第１回】
序論、中国城郭都市の変遷、漢代、魏晋南北朝期の城郭都市を都城を中心に概観。
【第２回】
南京城の変遷、孫呉・東晋・宋・斉・梁・陳の六朝建康城。
【第３回】
五代十国期、南唐の都城江寧府城について、後に明南京城の南半となる。
【第４回】
明南京城の造営、史上最大の城郭都市。
【第５回】
明南京城の規模と構造、城壁の人為的な破壊の現状。
【第６回】
明南京城の強固な防城施設、とくにその城門構造。
【第７回】
五胡十六国期の数少ない城郭遺跡、統万城遺址。
【第８回】
夏の赫連勃勃による統万城築城、「蒸土」による築城の謎、発掘による謎の解明。
【第９回】
統万城の馬面構造、城郭防禦上での有効性。
【第10回】
成都城の変遷、古蜀王国、戦国秦、劉備の蜀漢から現代に至る。
【第11回】
成都城の立地、物産豊かな四川盆地の中心地。
【第12回】
隋代の新たな長安城造営、唐代に完成。
【第13回】
唐代長安城の規模と構造、壮大すぎた都市計画。
【第14回】
唐代長安城の繁栄、その虚像と実像（その一）。
【第15回】
唐代長安城の繁栄、その虚像と実像（その二）。
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