1. |
授業の内容(Course Description) |
|
状況や意志の伝達には、現在、主に文字による文章・書物や書類で行われる。これを補ない、かつ、文字あるいは文章で果たせない部分を分担するものに図(絵および記号)がある。この図が、ほかの思考に比べ、大きな意味をもつものに地理があげられる。地域特性を考えようとする地理にとり、その地域を表現する図(地図)が出発点であるとともに、すでに地域がこれに表現されていることにほかならない。 春期( I )には、明治以降の日本における近代的地形図成立の概要を述べ、秋期( II )には、地形図特有の表現について、その読みとり作業を進める。各期いずれも後半には、読図効果を確かめるため、各自の作図演習を実施する。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
日本の地図の基本図である「地形図」の表現に慣れる。そして、「地形図」に描かれた各種多数の情報を、必要に応じ、引き出せるようになること。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
各自の地形図からの作品評価 60%、出席状況 40%
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:毎回必要な地形図は、当初期配布(モノクロコピー)。 春期、阿蘇山(代表的カルデラ)。秋期、上高地 松本盆地(代表的壮年期谷形と盆地地形) 各自の教室作業は、これらの図(5万分1)による。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
講義後半、教室での作業(ものさし、えんぴつ、消しゴム等各自準備)を重ね、各自の作品(作図)が提出できること。なお、作図作品提出による評価という条件から、追、再試は実施できないので注意のこと 。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 自己紹介、そして日常と地図とのかかわり(導入1) 【第2回】 文章と図との相互関係(導入2) 【第3回】 日本地形図の基本構成 1 世界図の一部としての共通座標、記号など 【第4回】 日本地形図の基本構成 2 各縮尺図相互の位置関係 【第5回】 日本地形図の基本構成 3 周辺諸国の図との比較 韓国 【第6回】 日本地形図の基本構成 4 周辺諸国の図との比較 中国・ロシアなど 【第7回】 日本近代地形図の成立 1 伊能図から仮製図(関東)まで 【第8回】 日本近代地形図の成立 2 各地迅速測図の成立 【第9回】 日本近代地形図の成立 3 正式2万分1図作成から5万分1図への変更 【第10回】 日本近代地形図の成立 4 20万分1輯製図から帝国図に 【第11回】 作図演習 1 【第12回】 作図演習 2 【第13回】 作図演習 3 【第14回】 作図演習 4(提出) 【第15回】 仕上げ(講評・返却)
|