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授業の内容(Course Description) |
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産業活動は昔から我々の生活を支える経済基盤であった。産業活動によって我々は生計をたて、消費する物資を得、種々のサービスを享受してきた。また地域の産業活動は地域経済を潤し、地域の文化を育ててきた。そして国レベルでは産業は国力の源泉であった。この授業では我々の生活と産業活動のかかわりを、いろいろの角度から光をあて検討する事により改めて産業活動の我々にとっての意味を理解するとともに、その日本における産業活動が大きな転換期を迎えている現在、これまでの日本産業の発展プロセスを見直しつつこれからの我々の生活と産業活動との新たな関係を展望することしたい。産業論IIでは貿易構造、海外投資、産業立地と地域経済、産業技術、産業政策といったテーマを取り上げる。最後にこれからの産業社会とグローバリゼーションの問題を考えたい。産業論Iを履修していることが望ましい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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日本の産業Iに引き続き、さまざまな産業分析の視点を学ぶ。そのことによって、特定の産業業種の特徴、発展性、問題点などを、自分なりに分析し、更に深く理解できるようにする事を目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テスト(記述式)60%、出席状況40%(適宜、授業中にミニテストを行う)。また出席率3分の1以下の者は成績評価しない。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書 1.『通商白書』(経済産業省) 2.『海外投資白書』(JETRO) 3.『日本国勢図会』 4.『日本経済地理読本』(東洋経済) 5.『イノベーションと日本経済』(後藤 晃、岩波新) 6.『グローバル経済の本質(』伊藤元重、ダイヤモンド社) 7.『世界を不孝にしたグローバリズムの正体』(シュティグリッツ、徳間書店)等
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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産業活動に関心があり、自分でテーマを見つけて勉強したいと言う学生を歓迎する。日々新聞の経済記事に目を通すことを期待する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 「貿易論(1)」:日本の貿易の現状と問題点。日本の貿易構造の変化と貿易振興政策。 【第2回】 「貿易論(2)」:戦後自由貿易の動きと日本の対応。GATT/WTOにおける日本の役割とFTA戦略。 【第3回】 「海外投資論(1)」:日本企業の海外投資の現状と問題点。 【第4回】 「海外投資論(2)」: 主要国における海外投資戦略。中国の経済発展とあたらな日中経済関係。産業棲み分けの可能性 【第5回】 「海外投資論(3)」:アメリカ、ヨーロッパにおける日系企業の展開。 【第6回】 「地域産業論(1)」:産業立地論概説。製造業、サービス業、流通業の立地選択。 【第7回】 「地域産業論(2)」: 日本の産業の地域分布。地域経済と産業立地。日本における産業立地政策の変遷。企業誘致から内発型地域開発へ。経済構造改革特別区構想と地域産業政策 【第8回】 「地域産業論(3)」: 現在の地域経済の問題点。地場産業、地域における産業集積。産業の空洞化への対応。内発型地域開発の事例。(一村一品運動、地域ブランド、産業クラスターなど) 【第9回】 「産業技術論(1)」:産業技術の発展史と日本の技術発展プロセスの特徴。 新しい技術による、古い技術の代替のメカニズム(デジカメ、携帯電話など) 【第10回】 「産業技術論(2)」: 日本における産業技術の現状と国際競争力。ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど。 【第11回】 「産業技術論(3)」: 技術移転と国際技術競争。アメリカの知的財産権戦略。韓国、中国との関係など。 【第12回】 「産業政策論(1)」:産業政策とは?日本の産業政策史。 【第13回】 「産業政策論(2)」: いくつかのケーススタディ。近代化・合理化政策、貿易振興政策、環境政策、技術開発政策など。 【第14回】 「グローバル経済下の日本産業」:市場と政府の関係。市場経済体制における政府の役割。 【第15回】 まとめ
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