1. |
授業の内容(Course Description) |
|
アメリカに発した金融危機が世界的規模で人々の暮らしを深刻な危機に陥れている。同様の危機は1929年の世界大恐慌であり、資本主義対社会主義という経済体制の問題が先鋭に争われる転回点となった。現在の世界同時金融危機で問われているのも経済体制の問題である。授業では、経済体制の中心の問題である市場と計画をめぐる過去100年の経験と経済学の展開を通して21世紀の日本の経済体制のビジョンを描く上での教訓と課題のありかを考える。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
失業、貧困、不平等、年金、医療、教育、環境、等々の現在の日本社会に山積する喫緊の社会経済問題を経済体制という視野の広がりで考える経済学の論理に馴染むこと。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末試験で評価する。積極的な授業参加姿勢および出席良好については考慮する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
都留重人著『近代経済学の群像−人とその学説』岩波現代文庫 都留重人著『現代経済学の群像』岩波現代文庫
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
授業では受講生と私との間の独自の双方向カードを使用します。授業の感想、質疑、提言などを積極的に書いてください。リアルタイムでの授業の工夫と改善に活用します。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 春期の授業への案内 【第2回】 世界同時金融危機の諸相 【第3回】 経済体制と20世紀社会主義のインパクト 【第4回】 経済体制と20世紀社会主義の崩壊 【第5回】 市場か計画か−欧米の経済計算論争 【第6回】 市場か計画か−世界大恐慌と失業 【第7回】 計画も市場も−リーベルマン提案の衝撃 【第8回】 計画も市場も−ソ連東欧の経済改革 【第9回】 計画も市場も−ソ連の挑戦と挫折 【第10回】 市場による世界の席巻 【第11回】 移行経済−経済体制か経済過程か(1) 【第12回】 移行経済−経済体制か経済過程か(2) 【第13回】 経済体制−経済学の現代の潮流(1) 【第14回】 経済体制−経済学の現代の潮流(2) 【第15回】 まとめ
|