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授業の内容(Course Description) |
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国際法特講B(2003年度までの国際法特講II)では、国際社会の平和と安全の維持に関する国際法について、最新の具体的事例を踏まえて、実証的に講義する。1999年度以降の私担当の国際公法II(2004年度より、国際公法C・D)の講義では、時間切れで、国連の集団的安全保障制度や平和維持活動(Peace-keeping Operations PKO)について、まったく扱うことができず、プリントを配布して自学自習に委ねる、ということにせざるをえなかった。また、国際紛争の平和的解決についても、十分に扱う時間がなかった。さらに、2006年度は、諸般の事情により、私担当の国際公法Dが開講されなかったため、国際公法Cの限られた時間だけでは、国際紛争の平和的解決、国連の集団的安全保障制度、平和維持活動については、まったく扱うことができなかった。2005年度以前および2007年度以降に私の国際公法IIもしくは国際公法Dを履修した諸君、または、2006年度に私の国際公法Cを履修した諸君は、補足のために、学生生活を締めくくるにあたって、是非この科目を履修して頂きたい。もちろん、私の国際公法を履修していない諸君の受講も大いに歓迎する。なお、この科目は2002年度までは4年次配当であったが、2003年度より3・4年次配当、2006年度より3年次配当となったので、3年生でも履修可能である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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国際社会の平和と安全の維持に関する国際法について、基本的な知識の習得を目指す。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験のみで評価する。中間試験やレポートは実施しない。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:特定のテキストは使わないが、一昨年度まで国際公法 A・B・C・D のテキストで用いていた松田 幹夫 編著『現代国際法』(八千代出版)の第九章「安全保障」、国際組織法A・B(今年度より国際組織法総論・各論から改称)のテキストで用いている(昨年度は国際関係論 A・B のテキストで用いた)横田 洋三 編著『新版国際機構論』(国際書院)の第3部第1章「安全保障」とかなり内容が重なるので、これらのテキストを持っている場合には、参考にして頂きたい。 参考書:『国際連合の基礎知識[第七版]』 国際連合広報局編(世界の動き社) 『国連の平和維持活動』 香西 茂(有斐閣) 『国連とPKO[第二版]』 福田 菊(東信堂) 『国際平和協力入門』 神余 隆博 編著(有斐閣) 『国連と日本』 河辺 一郎(岩波書店) 『国連新時代―オリーブと牙』 外岡 秀俊(筑摩書房) 『PKO新時代―国連安保理からの証言―』 川端 清隆・持田 繁(岩波書店) 『国連による平和と安全の維持―解説と資料』 横田 洋三 編著(国際書院) 『国連による平和と安全の維持―解説と資料 第2巻』 横田 洋三 編著(国際書院)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。 特定のテキストは使わず随時プリントを配布して講義する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
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6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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特定の教科書は使わず、以下の順序で講義する。 【第1回】 オリエンテーション 【第2回】~【第4回】 戦争の違法化①~③ 正戦論 【第5回】~【第10回】 戦争の違法化④~⑨ 無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展 【第11回】 戦争の違法化⑩ 国際連盟規約 不戦条約 国際連合憲章―武力による威嚇または武力行使の禁止 【第12回】 国際紛争の平和的解決 (詳しくは、国際紛争処理法A・Bに譲る) 非司法的解決手続 司法的解決手続 【第13回】 国際連合の集団的安全保障制度① 勢力均衡政策とその破綻 国際連盟の集団的安全保障制度とその問題点 【第14回】 国際連合の集団的安全保障制度② 国連憲章の予定する集団的安全保障制度の特色 東西冷戦による集団的安全保障制度の機能不全、東西冷戦期の例外的適用事例、東西冷戦後の新展開 【第15回】 平和維持活動(PKO) 「戦わぬ軍隊」PKOの登場、基本原則、法的根拠、事例研究、今後の課題 地域的安全保障制度 軍縮・軍備管理 (プリントを配布して、自学自習に委ねる可能性あり) ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。
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