1. |
授業の内容(Course Description) |
|
民法は、私たちの私的生活関係を規律する私法の一般法で、全体で1,000条以上もある基本法です。そのため、民法をいくつかの科目に分けて、講義されています(民法総論、物権法、債権法・契約法、不法行為法、親族法、相続法など)。 民法総論Aでは、民法入門からスタートし、近代私法の根本原理とその現代的制約、民法の全体像(民法とは何か、民法の構成など)、民法の一般原則などについて解説し、民法の基本を学びます。次いで、主として財産法における基本的な規定を設けている民法総則に入り、契約の基本である「意思表示」、契約の主体である「人」について、具体例や判例を紹介しつつ解説します。 代理、法人、契約の有効性などについては秋期の民法総論Bで取り上げることとしており、民法総論AとBを併せて、その後の民法関連科目を履修するための基礎・出発点となります。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
民法総論は、民法関連科目を履修するための基礎・出発点となるものであることから、法学部で法を学ぶ者に必要な共通教養を習得することを目標とします。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末試験を中心に、授業内の小テスト、出席状況などの平常点を勘案して、総合的に評価します。期末試験のウエイトが60%、小テストが20%、出席状況等が20%。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
講義概要をまとめたプリントを事前に配布し、また、必要に応じて参考資料を用意することにしています。 特に教科書は指定しませんが、内田貴『民法 I 総則・物権総論(第4版)』(東京大学出版会)は、分かりやすさを重視した教科書で、また、『民法判例百選I 総則・物権 第5版新法対応補』(別冊ジュリスト175号2005)も有用です。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
身近な法分野であるだけでなく、物権法、債権法などの基礎となるものでもあるので、授業に出席してしっかりと勉強してもらいたい。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクション(授業計画、成績評価など)、民法のポイントと学び方 【第2回】 民法とその基本原理 【第3回】 民法の全体像 【第4回】 民法総則の基礎的理解(契約と民法総則の関連性、民法の一般原則) 【第5回】 契約の意義、契約自由の原則、契約自由の原則に対する現代的制約 【第6回】 契約の成立(意思表示、効力発生の時期) 【第7回】 契約の成立(心裡留保・虚偽表示・錯誤) 【第8回】 契約の成立(詐欺・強迫による意思表示) 【第9回】 契約の成立(権利外観理論と94条2項の類推適用) 【第10回】 契約の成立(意思表示の無効・取消し)、小テスト 【第11回】 契約の主体としての「人」(権利能力、意思能力、行為能力、責任能力) 【第12回】 制限行為能力者制度、任意成年後見制度 【第13回】 制限行為能力者との取引の相手方の保護 【第14回】 制限行為能力者制度のまとめ、住所・不在者 【第15回】 まとめと試験
|