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授業の内容(Course Description) |
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中国経済は2007年にはGDP世界第3位、貿易総額では世界第3位と4大経済大国に成長している。しかもなお高度成長の軌道上にあり、完全に世界経済の4極の1つを構成するようになっている。中国は「中華大復興」を目指し、かつての中華帝国の構造に近づきつつある。中国経済論の課題は高成長の構造とその要因を明らかにし、現段階の位相を解明することである。 本学期は中国経済のもつ史的、経済的意義を提起する部分と歴史篇より構成される。中国経済ないし経済史は我々に何を語っているのかを、特に日本経済の発展のかかわりと共に知ることが、とりあえずの目的である。 アジアの経済発展戦略は中国の「社会主義型発展戦略」、東アジア諸国の「対外志向型発展戦略」、インドの「輸入代替型重化学工業化戦略」から「第3次産業が牽引する成長戦略型」への転型の3つのタイプとして把握される。それぞれ、「中国経済論 I、II 」、「アジア経済論 I 」、「アジア経済論 II 」で扱う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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現在中国経済はGDP世界第3位の経済大国に成長している。世界経済にとっても日本経済にとっても、影響の大きなプレーヤーである。その正確な知識を修得させ、新しい経済の展開を理解するようにすること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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中間テスト1回(30%)と期末テスト(70%)の評価による。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:高橋 満『中華新経済システムの形成』(創土社、2007年4月)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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アジア経済論 Iの受講が望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 中国とは? −中国経済の基礎環境:自然と人間 【第2回】 中国の歴史と社会:その特性 【第3回】 中国経済論の経済学的意義 −社会主義経済発展モデル 【第4回】 中国経済論の経済学的意義 −改革・開放モデル 【第5回】 中国経済論の経済学的意義 −中華経済圏の形成 【第6回】 中国経済論の方法 【第7回】 中国経済の歴史過程(1) −中華帝国の経済・貿易システム 【第8回】 中国経済の歴史過程(2) −ヨーロッパのアジア貿易と中国 【第9回】 中国経済の歴史過程(3) −インド・中国・日本の近代三国志 日本の自立化とインド・中国の周辺化 【第10回】 中国経済の歴史過程(4) −歴史の転換点:日清・日露戦争(日本の帝国化) 【第11回】 中国革命の政治経済学(1) −中国の周辺経済と孫文の三民主義 【第12回】 中国革命の政治経済学(2) −人民戦争、土地革命、大生産運動 【第13回】 中国の新民主主義経済体制の成立 【第14回】 中国社会主義革命の経済学的含意 【第15回】 社会主義的経済開発モデルの諸問題
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