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授業の内容(Course Description) |
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世界経済は、ベルリンの壁崩壊を契機として1990年以降、グローバリゼーションが進展し、大きく様変わりしてきている。しかし、それを支えている国際的な枠組みは、第二次大戦後に作られたブレトン=ウッズ体制を基本としており、多くの矛盾やゆがみが生じている。昨今のアメリカ発の金融危機も、実はそうした枠組みで理解できる。 この授業では、そうしたゆがみや軋轢の実例として、旧社会主義諸国の体制移行プロセスを取り上げ、世界経済の趨勢を規定するグローバリゼーションに対する理解を深める。とりわけ、ロシアや中東欧の国々とIMFや世界銀行といった国際金融機関との関係、EUの東方拡大プロセス、およびFDIの流入や多国籍企業が果たしてきた役割に焦点を当てる。 混迷を極める世界経済の動きのなかで、日本の針路に関心を持つすべての学生を対象にしている。中でもグローバリゼーションや、体制移行、国際経済関係に興味のある諸君に最適である。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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現在の国際経済の理解に欠かせない、国際金融機関と多国籍企業の役割を理解できること。国際金融機関の融資の仕組みや、多国籍企業による資本投下(いわゆる外国直接投資)が資本受入国の経済発展に与える影響を理解できること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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小テスト50%、期末テスト50%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:池本、岩崎、杉浦編著『グローバリゼーションと体制移行の経済学』文眞堂 参考文献:二村・金野・杉浦・大坪『ロシア経済10年の軌跡』ミネルヴァ書房、 西村編『ロシア・東欧経済:市場経済移行の到達点』日本国際問題研究所
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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新聞や雑誌などの関連記事を読んでおくこと。質問を歓迎する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業案内・オリエンテーション 【第2回】 グローバリゼーションと国際機関 【第3回】 体制移行プロセスとは何か 【第4回】 環境問題と国際機関 【第5回】 EU統合と体制転換 【第6回】 外国資本の役割と経済発展・体制移行 【第7回】 外国直接投資と国家の役割(1) 【第8回】 外国直接投資と国家の役割(2) 【第9回】 復習と小テスト 【第10回】 外国直接投資と企業リストラ(1) 【第11回】 外国直接投資と企業リストラ(2) 【第12回】 エネルギー問題とロシア 【第13回】 エネルギー問題と中央アジア 【第14回】 グローバリゼーションに翻弄される小国 【第15回】 まとめ・復習
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