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授業の内容(Course Description) |
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この授業は、通年で完結する内容を備えた全体のうちの前半部分に充当する。この意味で、本授業のうちのどちらか一方のみを独立して受講することは推奨できないし、また通常の履修パターンとはなり得ていない。しかしながら、学生諸君の事情によっては、本授業は前期のみの受講が認められる。 この授業は、漢字・ひらがな・カタカナおよびアルファベットを含む文章を読み書きできる、やる気のある学生諸君に対して行われる。まずもって、学生諸君は日本語の諸能力を磨かねばならない。より正確を期して言うならば、かなり高度な日本語による読み書きや会話を行わねばならない。授業の内容は、日本語の根幹で機能してきた文法の基本原則についての事項、および日本語による種々の表現を理解するための基礎的知識と能力を涵養するための事項を概観することである。学生諸君は文法的に正しい文章を書く「正確な人間」になっていただきたいと思う。 この授業においては、帝京大学経済学部の学生諸君は自分の生活史についての作文を提出し、また段階的な個別指導を受けなければならない。またその際、作文の内容が評価されるが、思想信条にかかわる問題は内容の評価とはまったく関係ない。それが評価される際に決定的に重要なのは、学生諸君の語学力のレベルである。言うまでもなく、作文の内容はどのように思索を巡らせて書いても良い。重要なことの一つは、事実と意見とを分けることである。 学生諸君は授業中および自宅においても熱心に勉強すること。そのことが結局、学生生活を実りあるものにする。人生で何か望むことがあるとするならば、そのために努力しなければならない。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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フランシス・ベーコン(Francis Bacon)は、その著『随想録』(Essay, 1597)のなかで、「読むことは充実した人間をつくり、話すことは機転の利く人間をつくり、書くことは正確な人間をつくる」と述べている。読書、会話および作文は「文章表現 A 」の授業においてそれ自体が涵養されるべき諸項目であることは言を俟たないが、ベーコンによって述べられた斯くあるべき人間に向かって成長すべく学生諸君とともに知的体験を供にすることこそ、本授業の目標としたい。その過程では、「わが実力の不十分なることを知るこそ、わが実力の充実なれ」(アウグスチヌス)と気づかされるであろう。このような認識に立ち至ることができれば、この授業目標は到達の域に達したと言うべきである。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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中間テスト、期末試験および作文を実施する予定である。これらに加えて出席状況を加味して評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しない。作成した教材を、この授業の一般的なテキストに替えて、授業の初めにほぼ毎回配布する。なお、参考書類は随時紹介する。その数は少なくない。
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5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業に顔を出すだけの学生は、勉学のための秩序を乱し快適な知的環境を破壊するとの理由から好ましくない。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業計画 【第2回】 書き方の決まりと講義ノートの取り方 【第3回】 報告書と論文の書き方 【第4回】 志望動機説明書と上手な履歴書の書き方 【第5回】 始末書を書くこととその意味 【第6回】 読書の仕方とジョン・ステュアート・ミルの『自叙伝』(Autobiography) 【第7回】 敬語を正しく使う―序論と初歩的作法― 【第8回】 文章理解と重言 【第9回】 新聞記事の趣旨を理解する ―各自新聞記事の切り抜きを持参し議論する― 【第10回】 要約し表題をつける(1)―新聞から― 【第11回】 要約し表題をつける(2)―新聞から― 【第12回】 一般的な経済学の専門用語 ―費用、価値、需要、価格および供給などの語― 【第13回】 作文(1)―今日までの生活史― 【第14回】 作文(2)―添削― 【第15回】 作文(3)―対話的個別指導―
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