Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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演習 I 河野 惟隆
選択  2単位
【経済】 10-1-1110-0205-01

1. 授業の内容(Course Description)
 ゼミと講義との最大の違いは、ゼミでは学生諸君が話せることである。そこでゼミではこのゼミの特徴を最大限に生かすべく、さしあたり次の一点に賭ける。
 ・ 学生諸君が現実の経済について十二分に話せる。
 現実の経済について話せるとは、その因果関係を話せることであり、それについて論理的に話せることである。そこでゼミでは次のことを目標にすることになる。
 ・ 学生諸君が現実の経済を自分で考えて分析できる。
 ゼミでは学生諸君が話すので、教師としては、学生諸君が本当に自分の頭で考えているか否か、を確かめながら、自分の頭で考える態度を身に付けて貰うことが出来る。このように、自分で考え、分析でき、話せるようにするのは、結局、卒業後のためである。
 ・ 学生諸君が卒業後、いつも最もよい経済行動を取れるようにする。
 現実の経済について勉強すると言う場合、その現実とは当然、現実の日本の経済である。現実の日本の経済を勉強するために、新聞の経済欄を読むことにする。もちろん新聞の経済欄を、うのみにするのではなく、批判的に読む。つまりゼミでは
 ・ 新聞の経済欄を読む。
 これは2010年度に生起しつつある経済問題について勉強するということである。しかも、現在進行形の経済現象を、漠然と勉強するのではなく、近い将来どのようにしたら良いか、と言う実践的な観点から勉強することにする。従って経済記事も、学生諸君が卒業後、長き将来にわたって応用できるものを選ぶ。ともあれゼミでは
 ・ 現在進行形の経済問題を勉強する。
 経済問題を本当に理解した、と言えるためには、それを話せなくては駄目である。話せて初めて、理解したと言える。したがってゼミでは
 ・ プレゼンテーションの能力を身に付けることにする。
 現実の経済問題についてしっかりしたプレゼンが出来るようになると、目前の就職活動で有利になれるだけでなく、長き将来にわたって充実した人生を送れる、と確信する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 経済問題を本当に理解した、と言えるためには、それを話せなくては駄目である。話せて初めて、理解したと言える。したがってゼミでは ・ プレゼンテーションの能力を身に付けることにする。
 現実の経済問題についてしっかりしたプレゼンが出来るようになると、目前の就職活動で有利になれるだけでなく、長き将来にわたって充実した人生を送れる、と確信する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 学生諸君に同じ所を繰返し読んで貰う。その際にキーワードを挙げて貰う。今度は見ないで、キーワードをつなげながら、書かれていることを述べて貰う。学生諸君が自分の頭で考える姿勢を作れるように、教師は質問し続ける。上手に質問できれば学生も伸びる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 現在進行形の経済問題について経済学者が新聞に書いたものをコピーして配付する。記者諸氏が書かれた記事をコピーして配付することもある。新聞のように活字になったものでも、事実の理解については、結構、間違いがあり、結局、自分の頭で考えざるを得ない。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 現在進行形の経済問題について勉強することは思考実験を意味する。実験だから、あくまで本番に備えるためである。本番、つまり学生諸君が卒業後、様々な場面に遭遇した時、その場面を明確に分析できるようにするために、現在の経済について勉強するのである。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
 2010年度に生起しつつある現在進行形の経済問題について勉強することにする。
 春学期は、経済学者が書いた自己完結的な分析を読むことにする。ある経済問題について、原因、過程、結果を明らかにし、その結果に対して或る対策が提案され、その対策が原因となり、あるプロセスをたどり、結果を高い確率で予測する、という自己完結的分析を読むことにする。
 春学期は自己完結性を感得することを目的とし、そのために春学期を通して、一つの分析の全文を読むことにする。ただし、一つのパラグラフ毎に徹底して読み込むことにする。一回の授業で、1あるいは2パラグラフしか進まないこともありうる。このような読み方をして、春学期の終りには自己完結性を感得できるようにする。
 秋学期には、一回の授業で、一つの経済問題について勉強する。主として新聞の経済欄から選ぶことになる。具体的には、日本経済新聞を読むことになる。経済問題としては出来るだけ、基本的な問題、重要な問題を取り上げることにする。秋学期を通して、現実の日本経済を基本的な点において勉強したことになるようにする。
 学生諸君が自分の頭で考えることができるようになり、秀れたプレゼンテーションができるようになること、これが演習の計画である。