Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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国際公法B
(国際公法 I)
喜多 康夫
選択  2単位
【法律】 10-1-1210-0175-04

1. 授業の内容(Course Description)
 新聞やテレビなどの報道機関の影響のせいか、各国政府の動向などの国際政治が着目される傾向が世間にはあるかと思います。そのためか、国際法についてよく理解されていなかったり、逆に誤解されることも多いかと思います。例えば、戦争が起こるたびに「国際法は死んだ」とか、「国際法には意味がない」などと言われますが、このような発言は、国際法が国際関係において現実に果たしている役割を正しく理解しているとはいえません。平時であろうと戦時であろうと、主権国家の関係を規律するのが国際法の役割であって、それを理解することが重要です。
 そこで本講義の目的は、2つあります。第一の目的は、上記で指摘した国際法が実際に果たしている役割を学生諸君に知ってもらうことです。本講義では、国際法の主体について説明します。第二の目的は、国際法を通して、学生諸君のリーガル・マインドの育成にあります。そのため、判例解説に重点をおきたいと思います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ①国際法の知識の習得
 ②リーガルマインドの養成
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席点が50点、WebCT試験が50点です。通常の授業ならびに土曜日補講に出席しない限り、単位は取得できません。
 また、WebCTは宇都宮キャンパスのLT開発室が管理しているe-learningシステムです。このシステムには授業で使用したパワーポイントファイルをアップロードします。また、このシステムで試験を実施します。
 WebCTを使用するには学内LANのパスワードが必要です。学内LANのパスワードを取得していない学生及びパスワードを忘れてしまったという学生は、8号館1階の情報処理センターで、できる限り早くその手続きを行ってください。なお、WebCTのURLは以下のとおりです。
 https://webct.teikyo-u.ac.jp/webct/entryPage.dowebct
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 レジュメで講義を行いますが、以下の資料は必須です。また、条約集については後日お知らせます。
 杉原 高嶺 ほか『現代国際法講義(第四版)』(有斐閣、2007年)、4,400円+税
 判例集については以下のどちらでもかまいません。
 松井 芳郎(編代)『判例国際法(第二版)』(東信堂、2006年)、3,800円+税。
 杉原高嶺・酒井啓亘(編)『国際法基本判例 50』(三省堂、2010年)、 2,200円+税。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 国際公法は全体としてABCDとあり、本講義「国際公法B」はあくまでその一部です。「国際公法B」だけを受講するのは確かに可能ですが、途中で受講しても理解するのは難しいと思うので、できれば「国際公法A」を履修した上で、本講義を受講していただきたいと思います。やる気のある学生をお待ちしています。
 また第1回目のオリエンテーションで、授業のスケジュールと単位の取得方法などを説明するので、必ず出席するようにしてください。なお、2回目以降は個人的にオリエンテーションのことを聞いてきても、私は答えませんので、その旨理解しておいてください。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 国際法主体の種類
【第3回】
 国家の成立と国家承認
【第4回】
 国家の消滅
【第5回】
 国家承継
【第6回】
 国家の基本的権利義務
【第7回】
 秋期前半のまとめとWebCT講習会
【第8回】
 国家免除
【第9回】
 国際法上の政府の問題
【第10回】
 国際関係における国家機関
【第11回】
 国際機構
【第12回】
 国際法上の個人の地位
【第13回】
 国際的人権保障
【第14回】分と【第15回】分の授業は、「国際刑事裁判の発展」を土曜日補講として実施します。