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授業の内容(Course Description) |
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わが国の法制度は明治時代に西洋法を輸入することによって作られました。「西洋法制史」は、日本法の母体となった西洋法の歴史を振り返ることによって、法と社会、すなわち法と人々の生活との関係をよりよく理解し、さらに、みなさんが法律学を学ぶ上で必要な歴史的知識を習得し、法律学上の基本的な概念に関する正確な理解を身につけることを目的としています。 「西洋法制史A」と「西洋法制史B」はそれぞれ独立科目ですが、単期で全体を講義することは不可能ですので、便宜的に、全体を二部にわけ、秋期「西洋法制史B」では、近世国民国家の成立から近代市民法典の編纂にいたるまでのヨーロッパの社会と法の歴史を概説します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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現代日本法の背後にある歴史の概略を知り、あわせて法律学の基本的に重要な概念について理解を深めていただくことを目標といたします。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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後期(秋期)に2ないし3回程度の小テストを行い、その成績と出席点で評価します。期末試験は行いません。 なお、出席回数が10回に満たない者は単位取得ができませんので、ご注意ください。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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教科書は使用しません。年表と法律史料を適宜配布して、皆さんの学習の便宜を図りたいと考えています。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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憲法、民法、刑法などの基礎的法律科目を一通り履修しておいてください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ルネッサンス・宗教改革と法(西洋封建制国家の解体と国民国家の出現) 【第2回】 カロリナ刑法典 【第3回】 人文主義法学 【第4回】 近世自然法・その一(グローティウスの自然法論) 【第5回】 近世自然法・その二(プーフェンドルフの自然法論) 【第6回】 パンデクテンの現代的慣用 【第7回】 公法の自立化(ユスティツとポリツァイ) 【第8回】 啓蒙思想と法典編纂 【第9回】 ドイツおよびオーストリアにおける初期の法典編纂 【第10回】 フランス民法典の編纂 【第11回】 ドイツ歴史法学の誕生―サヴィニー・ティボーの法典編纂論争 【第12回】 ドイツ歴史法学の功罪―近代法律学および法の歴史研究の始まり 【第13回】 ドイツ民法典の編纂 【第14回】 概念法学から自由法学へ 【第15回】 社会法の誕生
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