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授業の内容(Course Description) |
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行政法は、憲法の「具体化法」であるといわれる。従来、憲法と行政法は、それぞれ法律学の一分野として、異なる研究対象とされ、別々に発展をしてきた。しかし、近年多発している国民と国家との紛争の解決に当たって、憲法と行政法の論点は密接に関連している。在外日本人の選挙権確認訴訟、日の丸君が代拒否事件、原発訴訟や小田急高架化事件、戦後補償の問題など、どの例を見ても、憲法の論点だけあるいは行政法の解釈だけで片付く問題ではない。行政法は、きわめて技術的な性格を持っているが、憲法の理念に基づいて、具体的に国民生活を規律しているものであり、憲法と行政法を融合させた理解が求められる。 この行政法研究 I においては、憲法・行政法に関連する具体的事例について、全員で研究討議を行い、そこに採られている憲法の理念と、それに基づく具体的な行政法の規律のあり方について検討を加え、現代における国家と国民の関係について見極めていきたい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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憲法・行政法に関する具体的事例について研究を行い、憲法・行政法を融合させた公法体系全体に対する理解を深めることを目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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毎回の担当者による報告の内容とそれに対する全員の討議の状況等により、評価を行う。一定以上欠席した場合には、単位は認められないので、注意すること。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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今学期は、棟居快行『憲法フィールドノート(第3版)』(日本評論社)をテキストとして使用し、そこで取り上げられた事例を1件ずつ研究する予定である。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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全員が課題について予習をしてきて積極的に討議に参加することが求められる。また、できるだけ、遅刻や欠席をしないことを希望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】~【第14回】 テキストに採りあげられている事例について、あらかじめ指定された担当者が、それぞれ「事件の概要」、「原告の主張」、「被告の主張」、「裁判所の判決要旨」、「担当者の意見」等を報告し、それを基に全員で討議・研究を行う。 【第15回】 今学期の研究成果の取りまとめ
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