Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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外国法特講B 鞠子 公男
選択  2単位
【法律】 10-1-1210-0685-06

1. 授業の内容(Course Description)
 EUは国際機構以上連邦国家未満の存在であるとされる。国際機構の代表格である国際連合は独自の権力的な基盤をもたないが、EUは、経済を中心とした一定分野の主権を加盟国から委譲されており、独自の権力をもつ。その面では連邦国家に近い。しかしながら、例えば外交・軍事・警察等の主権は依然として加盟国に残されていて、EUには権力基盤がない。この面では国際機構と同様である。
 外国法特講Aで学んだEUの沿革、制度をベースにして、外国法特講BではEUが具体的にどのように運営されているかを学ぶ。EU市場は世界最大の単一市場*で、我が国の重要な貿易相手先である。日本企業が取引するためには、いかに運営されているかの知識が不可欠である。*GDP1600兆円は米国以上で、我が国の3倍超である。
 特に、加盟国の国境を越える取引がどのように規制されるのかは興味深いところである。
 わが国の「東アジア共同体」構想を考える際にも、いわば成功した先例として参考に値するものである。
 本講義は、講座の性質上法律的側面からのアプローチが主体であるが、歴史、地理又は政治的な側面にもできるだけ触れるので、法律的側面以外に興味をもつ学生も受講することを期待する
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 歴史的又は地理的な視点をもって、国際機構が連邦国家に近づいていくプロセスを学び、欧州連合の主要な制度を理解することが外国法特講Aの目標であったが、外国法特講Bでは、第一段階として個々の欧州司法裁判所の判例及び欧州委員会の決定等の法律的論理構成を理解し、第二段階として適用された条文を体系的に理解することを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 受講者の興味の対象はかなり幅広いものと思われる。各受講者が各々の興味のあるところを勉強すれば、好成績となるような評価の方法を考えたい。詳細は最初の講義で説明する予定である。。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:必要に応じてプリントを配布する。
 参考文献:庄司 克宏『EU法 政策篇』岩波書店
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】・【第2回】
 EU法の法源
【第3回】・【第4回】
 共同市場と物の自由な移動
【第5回】・【第6回】
 サービス・ 資本・人の自由な移動及び開業の自由
【第7回】~【第11回】
 競争法
【第12回】
 加盟国法の調和
【第13回】・【第14回】
 東アジア共同体構想
【第15回】
 秋学期のまとめ