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授業の内容(Course Description) |
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ヒトが自分を取巻く世界を知り、自分を知るためには、まず感覚情報の入力と処理が必要である。また自分を環境にうまく適応させるにも、感覚が必要である。こうした感覚情報を基礎に、記憶や注意の影響を受けて生まれる機能が知覚であり、「こころ」の基盤をなすものである。知覚心理学Ⅰでは、このような知覚のシステムを理解するために、まず感覚器・伝導路および脳の基本構造と生理を学ぶ。その上で、視覚・聴覚・体性感覚などの知覚現象を理解していく。知覚心理学Ⅱでは、知覚を計る方法と知覚の構造などについて述べる。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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ヒトの心の成り立ちの基本である外界情報の知覚とその計測法および知覚の構造モデルについて理解する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験成績・出席状況等を合わせて、学年末に総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは特に指定しない。 参考書:『現代心理学シリーズ6 知覚と認知』八木昭宏 著、培風館
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5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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学習意欲のある熱心な学生の参加を期待する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 感覚・知覚の機能解剖について概要を講述する。 【第2回】 単純・選択反応時間およびドンダースの減算法・スタンバーグの加算要因法について講述する。 【第3回】 感覚・知覚の測定方法1(調整法・極限法)について講述する。 【第4回】 感覚・知覚の測定方法2(恒常法・上下法)について講述する。 【第5回】 感覚・知覚測定の実際(視覚・聴覚・体性感覚)について講述する。 【第6回】 Weber-Fechnerの法則・Stevensのべき関数について講述する。 【第7回】 信号検出理論について講述する。 【第8回】 注意の諸現象(復帰抑制・注意の瞬き)と知覚の関係について講述する。 【第9回】 記憶の諸現象(プライミング効果)と知覚の関係について講述する。 【第10回】 感覚どうしの関連(ストループ効果・サイモン効果・マガーク効果)について講述する。 【第11回】 コミュニケーションの諸現象(顔の認知・ミラーニューロン)について講述する。 【第12回】 知覚の学習効果および発達と可塑性について講述する。 【第13回】 知覚心理実験の流れおよびインフォームドコンセントについて講述する。 【第14回】 知覚の構造モデルおよび人工知覚について講述する。 【第15回】 まとめ、講義内容に関する質疑・応答等を行う。
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