Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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地域情報論 II 野本  敬
2群  2単位
【二群】 10-1-1500-1890-02

1. 授業の内容(Course Description)
 われわれは、ふだんは自分の住む世界は一定のまとまりを持ったさまざまな「地域」からできている、と考えている。しかし、その「地域」のまとまりを切り取る区分や、その結果生まれる「境界」は、多分に人間の観念によって設定されたものでもある。
 本講義ではその実例を、中国の「辺境」に位置する雲南省を事例として考えてみたい。歴史的・文化的多様性のせめぎあいの中にあった雲南が、なぜ中国の辺境地域となるに至ったか、雲南という視座からわれわれが今日生きる世界のあり方を透視してみることとしよう。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 異なる世界の結節点である「辺境」に視点を据えることで、われわれが現在生きている近代以降の「地域」「地域区分」を設定したさまざまな要因について理解を深めることを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験(100%)により評価する。授業参加状況も参考にする。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 教科書はとくに指定しない。授業に必要な参考資料は適宜プリントを配布し、関連文献はその都度紹介する。
 授業の理解を助ける参考文献として、アジア理解講座1『境界を超えて 東アジアの周縁から』中見立夫編,山川出版社,2002年を挙げる。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 講義で紹介する内容について、適宜紹介する関連文献を図書館の活用等を通して自主的に読み、理解を深めることが望ましい。なお、講義中は私語を慎むこと。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション:雲南省とは?
【第2回】
 雲南と日本とのかかわり①
【第3回】
 雲南と日本とのかかわり②
【第4回】
 『雲南』雑誌にみる地域認識①
【第5回】
 『雲南』雑誌にみる地域認識②
【第6回】
 「中国西南」としての雲南
【第7回】
 雲南の地理と交通
【第8回】
 雲南からみる東南アジア:タイ文化圏
【第9回】
 雲南からみるチベット
【第10回】
 “みえない地域”「少数民族」の世界
【第11回】
 「独立王国」時代の雲南:南詔・大理国時代
【第12回】
 「歴史意識」と地域区分
【第13回】
 「地域」の区分と雲南
【第14回】
 以上のまとめ
【第15回】
 まとめとテスト(予定)