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授業の内容(Course Description) |
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前年度の「比較文学論」(「ヨーロッパ文化論」)の続きとして、すべての西洋文学の基礎となるユダヤ教の神話とキリスト教の神話を引き続き講義します。 神話は、高度な象徴体系によって成り立っており、素人がそのまま読んでも意味を理解することは不可能です。それには特別な解法が要求されます。しかも神話は時代とともに高度化され、アレゴリー化・暗号化されていきます。この授業では神話の読み方(解法の仕方)を伝授します。日本語ではこうした神話の読み説き方について解説された書物がないため、この授業では教科書を挙げることができません。皆さんが書き取ったノートが教科書となります。 ユダヤ教の神話である旧約聖書、キリスト教の神話である新約聖書を解説します。 また、同じ旧約聖書から派生したイスラーム教についても『コーラン』を中心に解説します。次に、これらを基礎知識として、ダンテの『神曲』のイントロダクションを行います。 人類の文学の頂点に位置するこの叙事詩を理解するには、極めて多くの知識が必要とされます。 まずは、近代になって失われてしまった古代・中世の伝統から説明していきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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ユダヤ教・キリスト教の仕組みをその神話から理解し、西洋文化の基礎を得る。 また、イスラーム教の根本的な考え方を理解し、現代世界の理解に役立てる。 最後に、ヨーロッパとは何かを知るためのテキストとしてダンテの『神曲』を取り上げ、その中でいかにヨーロッパが出来上がったかを理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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前期試験により評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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すべて配布プリントによって行いますので、教科書を買う必要はありません。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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日本のどこの大学でも教えられていないことを講義するため、この授業に出席しない限り、理解できません。インターネットにも、既存の書籍にもないまったく新しい知見を講義しますので、しっかりノートを取って下さい。皆さんの取るノートが教科書となります。 そのため恒常的な出席と静聴を要望します。聴講しなければ、1点も取ることができません。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 アベルとカインの神話+大洪水とノアの神話 【第2回】 バベルの塔の神話+ソドムとゴモラの神話(ユダヤ教の思考の考察) 【第3回】 ヨセフの神話 【第4回】 ユダヤ人の歴史(ホロコーストはなぜ起きたか) 【第5回】 『コーラン』の神話 【第6回】 『コーラン』の神話+イスラームと現代(ユダヤ人との関係) 【第7回】 新約聖書の神話 【第8回】 新約聖書の神話 【第9回】 聖書の読み解き方 【第10回】 ゲマトリアを使った解法 【第11回】 ダンテ『神曲』の解説 【第12回】 ダンテ『神曲』の数的構成 【第13回】 ダンテ『神曲』の数的構成 【第14回】 ダンテ『神曲』の幾何学的構成 【第15回】 前期試験
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