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授業の内容(Course Description) |
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大学における一般教養とは何か。高校までの教育とどう違うか。大学では、「生徒」から「学生」に呼称が変わるだけでなく、「学びの転換」も行われなければならない。この授業では、大学教育とは何かについて議論する。戦後日本の高等教育機関は、アメリカ型をモデルにしたものである。すなわち、四年制大学も、短期大学も、大学院も、専門職大学院(プロフェッショナル・スクール)もすべてがアメリカ型をモデルとしている。アメリカ占領下(1945年~1952年)に現在の学校制度(六・三・三・四制)に改革された。たとえば、シラバス、学生の授業評価、AO(アドミッションズ・オフィス入試)、オフィスアワー、セメスター制、GPA制なども、すべてアメリカから導入されたもので、戦後日本の高等教育は制度的にも、形式的にもアメリカと酷似したものになっている。しかし、両国の「教育と研究」には顕著な違いが見られる。その違いを決定的にしているのが「リベラルアーツ教育」である。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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リベラルアーツ教育が研究に与える影響について学び、日米大学の比較を通して両国の「教育と研究」の違いを理解することができる。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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学期末試験(70%)と出席(30%)によって総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストとして、アーネスト・L・ボイヤー著/喜多村和之他訳『アメリカの大学カレッジー大学教育改革への提言』(玉川大学出版部、1996年)を使用する。参考文献として、土持ゲーリー法一著『戦後日本の高等教育改革政策―「教養教育」の構築』(玉川大学出版部、2006年)がある。その他、授業の中で随時紹介・指示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この授業は、「ソクラテス・メソッド」にもとづき「予習しないで授業を受けてはならない」を原則とする。「一般教養セミナーⅡ」では、「一般教養セミナーⅠ」での学習記録をファイルに綴じて保存し、それをもとに実際のラーニング・ポートフォリオの作成を指導する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション:学習哲学(授業に臨む姿勢とは) 【第2回】 リベラルアーツ・カレッジについて 【第3回】 日米大学の比較(その1)高校と大学の接続について 【第4回】 日米大学の比較(その2)大学の使命と伝統について 【第5回】 日米大学の比較(その3)カリキュラムについて 【第6回】 日米大学の比較(その4)大学教授職について 【第7回】 日米大学の比較(その5)ファカルティ・デベロップメント(FD)について 【第8回】 日米大学の比較(その6)授業におけるシラバスと図書館の役割について 【第9回】 日米大学の比較(その7)キャンパス・ライフについて 【第10回】 日米大学の比較(その8)大学と社会について 【第11回】 日米短期大学の比較―コミュニティ・カレッジと短期大学 【第12回】 日米大学院の比較(その1)研究と教育の関係について 【第13回】 日米大学院の比較(その2)プロフェッショナル・スクール:医者および弁護士の養成について 【第14回】 NHK特集「ハーバード大学・米国エリートはこう育てられる」と討論 【第15回】 授業の総括
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