1. |
授業の内容(Course Description) |
|
EUの成立により、従来の国民経済の概念は大きく変化しつつある。大航海時代以来、ヨーロッパは今日の世界経済の仕組みを確立するのに大きな役割りを果たし、また、新しい仕組み作りを先導してきた。本授業ではヨーロッパ経済が第一次大戦後たどってきた道を概観するともに、特に戦後の経済統合の内容の深化と地域的拡大のプロセス、そして今後の地域統合の動きを展望する。そしてそれが今日の世界経済にいかなるインパクトを与えるかを理解すると共に、日本は今後そうした中でどう対処すべきかを考える。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
戦後のヨーロパ統合の歴史は、21世紀の国民国家のあり方の新しいモデルを示していることを理解し、アジアに生きる日本の地域連携はどう有るべきか、といった世界大の問題にも関心を持ち、思索する機会にして欲しい。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末テスト(記述式)60%、出席点40%。なお、出席率3分の1以下の者は成績評価しない。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
参考書:『概説西洋経済史』(荒井 政治、有斐閣)、『現代ヨーロッパ経済史』(原 輝史、有斐閣)、『ヨーロッパ統合のゆくえ』(宮島 喬、人文書院)、『ヨーロッパ経済』(朝倉 弘教、けい草書房)、『ユーロ誕生』(河野 健一、毎日新聞社)、『拡大EU』(町田 顕、東洋経済)等
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
ヨーロッパのEUを中心とした動きを世界的視野、歴史的視点でとらえること。幅広い関心を持って勉強しようとする学生を歓迎する。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 「イントロダクション」: ヨーロッパ経済Iの講義内容の概要を説明し、ヨーロッパ経済IIの講義につなげる。 【第2回】 「第一次大戦後のヨーロッパ経済」:政治と経済の関係。社会主義思想の浸透とソ連の成立。 【第3回】 「大恐慌とヨーロッパ経済」: ブロック化経済にすすむイギリス、フランス。軍国化するドイツ、イタリア。ソ連の工業発展。そして第二次大戦へ。 【第4回】 「第二次世界大戦と戦後ヨーロッパ経済」: ヨーロッパの東西分裂。マーシャルプランによる西ヨーロッパの復興。東欧の社会主義経済圏の成立。ドイツの奇跡の経済復興。 【第5回】 「戦後ヨーロッパ経済各論」: イギリスの混合経済体制。英連邦の崩壊とイギリス経済の停滞。フランスのナショナリズム。北欧の福祉国家。 【第6回】 「ヨーロッパ統合への道(1)」: 戦前のヨーロッパ統合運動とECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)成立まで。 【第7回】 「ヨーロッパ統合への道(2)」:ECSCからEEC(欧州経済共同体)へ。 【第8回】 「ヨーロッパ統合への道(3)」:EECから市場統合へ。EC誕生。 【第9回】 「ヨーロッパ統合への道(4)」: ECからEU(欧州連合)へ。EUの拡大の歴史。大陸ヨーロッパとイギリス。 【第10回】 「EUについて」:その機能、組織、予算、経済戦略。ユーロの誕生。 【第11回】 「中東欧経済論(1)」:ソ連の戦後経済。NEPから計画経済へ。 【第12回】 「中東欧経済論(2)」: ポーランド、ハンガリー、チェコの戦後経済。中東欧の移行経済プロセスとEUの東方拡大 【第13回】 「中東欧経済論(3)」: 中東欧諸国への日本企業の投資戦略。南東欧経済。トルコ、ウクライナのEU加盟問題。 【第14回】 「日本とヨーロッパ経済」: 貿易、直接投資、21世紀の展望。世界経済におけるヨーロッパモデルの意味。 【第15回】 まとめ
|