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授業の内容(Course Description) |
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教育という営みについては、誰もが小さい頃から家庭や学校で受けた経験をとおして、なんらかのイメージを持っている。そのためか、(誰もが自分の経験に基づいて語ることのできる領域だと考えられがちなだけに)教育や学校をめぐる議論は専門性、科学的吟味を軽視した、“教育はどうあるべきか”“どういう教育が望ましいか”といった理想論のレベルにとどまりやすい。現代の社会変化に伴って生じている「教育改革」論議もまた、そのような様相を呈している。 そこで、この授業では、教育学研究の視座から、我々の教育を捉える認識枠組み自体を検討することを通し、個人や社会にとって教育が果たす役割(蓄積されてきた理論・思想、その歴史)について理解を深めることを目的とする。各受講生が、これまで所有してきた教育のイメージを見直すとともに、新たに教育を見る「眼」を養い、常識や俗説から自由に現代の教育問題とそれを取り巻く社会の現実について考えるための手がかりを提供する。 (※本授業は、教育職員免許法施行規則に定める「教職に関する科目」―「教育の基礎理論に関する科目」である。)
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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・個人と社会にとっての教育の役割を理解する。 ・日本の教育をめぐる諸状況の変化を、より専門的な見地から捉える。 ・子どもの成長発達に寄与する教師の役割について理解を深める。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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筆記試験(60%)、および授業への参加状況(コメントペーパーの提出、小テストの成績)(40%)に基づいて、総合的に判断する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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①使用教科書については、第1回の授業時に指示する。 加えて、授業中に資料を配付するので、各自ファイルしておくこと。 ②参考文献は、授業の中で適宜指示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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コメントペーパーの活用、質疑などを通して皆さんに発言を求めていくので、積極的に授業に参加すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス―教育学を学ぶにあたって― 【第2回】 「教育」の意味を考える 【第3回】 育ちと学び 【第4回】 「学校」とは 【第5回】 歴史の中の教育 【第6回】 日本の教育システム ―法・制度をめぐって― 【第7回】 教育課程・教科書 【第8回】 「授業」と「学び」をめぐる理論 【第9回】 子どもの能力と評価 【第10回】 現代における教育の諸課題(1) ―学力問題・「ゆとり教育」― 【第11回】 現代における教育の諸課題(2) ―いじめ・不登校問題― 【第12回】 現代における教育の諸課題(3) ―貧困・格差と教育― 【第13回】 教師という仕事(1) ―授業・教材研究・学校運営・校務分掌― 【第14回】 教師という仕事(2) ―教師としての成長― 【第15回】 まとめ・試験
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