Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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生体情報科学(Information Science of Living Organism) 磯野 邦夫
3年 後期 専門共通科目選必 2単位
【ヒューマン・後】 10-1-0420

授業内容
生体にはその膨大な情報を保存し、処理するために高度に専門化したシステムとして、大きく分けて2つのシステムがあります。1つは生体における最も複雑で、最もマクロな機能を有する脳神経系であり、もう1つは子孫へ受け継がれ、生体の設計図として機能する最もミクロな情報装置であるDNAです。外から見たときちょうど対極に位置するこの2つの情報機械は、どちらも今日の計算機でも実現できないような膨大な情報を瞬時に獲得、伝達、処理することができます。本授業は生体情報の扱い方、解析の仕方などを情報科学の視点で学ぶことを目指すものです。今日の社会では個人認証や犯罪捜査などでDNA情報などの生体情報が広く利用されるようになっており、情報科学に直接携わらない人にとっても生体データを正しく理解することが重要です。授業は集中講義形式で行います。最初に「生体情報」という概念がなぜ重要かを説明し、生命の起源と進化の歴史を学んで生体情報学の立場から地球に生まれた生命を理解します。次に生体という情報機械の基本的な設計図である遺伝情報システムについて、それがどのように子孫へ受け継がれ、そこで設計図として自己を複製するのかを学びます。後半の授業では生体情報学と計算機科学の学際的分野で生まれた新しい学問であるバイオインフォマティクスについて情報科学の立場から生体情報を学びます。