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授業の内容(Course Description) |
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開発途上国は世界の人口の85%を占め、重要な資源の生産や輸出によって世界経済に大きな影響を及ぼす国々が少なくありません。また多発する紛争で人権問題を引き起こしたり、世界の安全保障の面で不安定化の原因になったり、インフルエンザやHIV等、世界的な感染症の発源地になったりする国々もあります。 日本の近隣の国では、中国やインドなどが目覚ましい経済発展を見せて、これからの世界の政治経済に大きな発言力を持とうとしてます。 このような開発途上国が直面している問題、その解決のために、日本を始め、先進国はどんな協力をしてきたか、またこれからどうすべきか。こういう問題を学習していきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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まず春期では開発途上国の現状を知り、それが日本を含む先進国とどんな関係にあるかを理解し、把握すること。 その上で、秋期でそのような途上国にどのように援助してゆくべきかを理解すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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試験の成績を中心とし、出席状況も重視します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業中にプリントを配布。 参考書:『国際協力』(有斐閣選書)下村 恭民、辻 一人、稲田 十一、深川 由起子 著 参考書:『国際協力論を学ぶ人のために』(世界思想社)内海 成治 編 『国際開発論』(日本評論社)斉藤 文彦 著
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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現在の世界における時事的な問題にも適宜触れながら講義をするので、日頃から新聞その他で、ODAや環境問題など開発途上国に関する報道や書き物に関心を払うようにすること、また教室でも積極的な質問、意見表明を歓迎します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 Part I:途上国における開発の現状と諸問題 序:なぜ開発経済論を勉強するのか? 1.グローバル化の中の途上国の現状は? 【第2回】 2.開発の根源的な問題は「貧困」 (1)貧困とは何か 【第3回】 (2)この世界は如何に富が偏在し、貧困者の生活が厳しいか (3)開発の中の「価値」の選択 3.貧困がからむ様々な問題: (1)問題の所在 (2)「持続的成長」とは 【第4回】 (3)開発と環境:イ)経済成長と環境、ロ)日本の経験は、ハ)後発性の利益? 【第5回】 ニ)環境保全のための国際的行動 【第6回】 (4)開発と人口:何が問題か、人口の変化、社会の不安定化、国際協力 (5)ジェンダー問題:女性はなぜ差別されるか、開発と女性、国際的動き 【第7回】 (6)開発と教育:両者の関係、基本的アプローチは何か (7)開発と医療:途上国の病気、弱者である母子の保護 【第8回】 (これまでのまとめ又は中間テスト) 【第9回】 4.途上国で高まる不満:紛争、麻薬、テロ、「人間の安全保障」 【第10回】 5.貧困問題への国際的取り組みの状況 【第11回】 6.経済発展のための基本戦略は: (1)いくつかの戦略 (2)農業開発の促進 【第12回】 (3)工業化と産業の育成 【第13回】 7.ガバナンスの問題: (1)問題の中味は(2)時代の背景 【第14回】 (3)カバーする範囲 (4)グローバルガバナンス 【第15回】 (まとめと期末テスト)
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