Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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西アジア経済論 II 清水 學
選択必修  2単位
【経済】 10-1-1110-1774-06

1. 授業の内容(Course Description)
 本学期では西アジア経済の理解をイッシュー(問題)毎に深める方法で独立した講義であるが、西アジア経済論Ⅰを受講してイスラームなどに関する基礎的知識を得ていることが望ましい。
 西アジア経済は各国が独自の地域的文化的背景を持っていると同時に、グローバル経済に深く組み込まれている。多くの国が直接間接に石油・天然ガス輸出収入に依存してきたが、「石油後」をにらみながら新たな経済発展戦略を模索している。巨額なアラブ・オイルマネーの動向、無視できなくなったイスラーム金融・銀行システムなどホットな話題も多い。同時に若年人口の爆発的増加など地域格差、階層格差の拡大、雇用問題など社会的政治的不安も深刻化している。この講義では、西アジア経済の最近の発展を考慮に入れて、世界経済を見る視点を柔軟かつ多角化することを目的とする。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 エネルギー・金融面でも注目される西アジア経済に対する基礎的認識を得ること、および世界政治経済の構造を理解する手がかりを得ること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末定期試験によって評価する。必要に応じて出席を考慮に入れる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:配布プリント。
 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参考。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎する。西アジアを通じて異なる価値観を知ることは、今後国際的に活躍しようとする学生にとって貴重なヒントが得られると信じる。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 今日、西アジア経済が注目される理由は何か。
【第2回】
 西アジアの戦略的地位と石油ガス
 日本経済と西アジア・湾岸
【第3回】
 世界経済不況と西アジア
 オイルマネーの投資戦略。多用な国家ファンドと民間資本
【第4回】
 湾岸発展戦略の現段階
【第5回】
 イスラーム教と経済の関係
【第6回】
 イスラーム金融の挑戦
【第7回】
 世界のイスラーム金融の現状(湾岸、マレーシア、ロンドン、シンガポールなど)
【第8回】
 西アジアで頻発する戦争と緊張
【第9回】
 イスラエル・パレスチナ紛争とは何か
【第10回】
 アフガニスタン問題
【第11回】
 アラブ社会主義と新古典派経済学の挑戦
【第12回】
 トルコ:イスラーム化とEU加盟問題
【第13回】
 イラン:経済制裁の経済学
【第14回】
 エネルギー市場と西アジア
【第15回】
 西アジア経済Ⅱの総括