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授業の内容(Course Description) |
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諸君が国際社会の中核となって活躍する21世紀を、「平和と繁栄の世紀」にするために、過去の世界の国際政治の歴史の中から何を学べばよいのだろうか。新しい世紀に入ったいま、国際社会には新たな不安定要因も生まれつつある。我々はこれらの不安定要因をどう読み解けばよいのか。中国は自由と民主主義を尊ぶ友好的な超大国になるのだろうか、軍事大国になるのだろうか、あるいは不安定なコースを歩むのだろうか。東南アジア諸国は安定した成長を遂げられるのであろうか。インド・パキスタンの関係はどうなるのであろうか。中央アジア諸国の発展はどうなるのであろうか。 欧州は、政治・経済・外交の面では欧州連合(EU)に見るように統合化に向かっている。軍事的には北大西洋条約機構(NATO)が東欧にまで拡大しつつある。多様な国々から成り立っているアジアには、欧州ほどの多国籍機構はないが、東南アジア諸国連合(ASEAN)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)やASEAN地域フォーラム(ARF)といった機構がある。 本講義は、とくにアジア(北東アジア地域を除く)における国際政治の過去・現在・未来を取り扱う。過去を学んで未来に備える「アジアの未来のための国際政治」について諸君が身につけるべき基礎的な知識をまとめたものである。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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わが国の生命線と言われるシーレーンはユーラシア大陸の南辺を沿って通っており、そこには「不安定の弧」と呼ばれるように問題が山積している地域が存在していること、これを安定化させるために必要なアジアにおける多国籍機構に関する基礎的な概要を理解させ、新聞やテレビで紹介される中央アジア、インド、東南アジア地域情勢の背景を理解できるようにする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席状況を重視する。出席率・小テスト・期末試験の成績を総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書:志方俊之著『フセイン殲滅後の戦争』(小学館) 志方俊之著『日本はこのままでは生き残れない』(PHP研究所)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席率を重視する。講義中、不定期にワンポイント・テストを行う。「國際政治学B」を受講する者は、なるべく春期に「國際政治学A」を受講するよう希望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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以下の項目を、ほぼ1週間に一つのペースで進める。 【第1回】 アジアの地域的特性と歴史 【第2回】 東南アジア地域の特性 (その1:列強による植民地支配の時代) 【第3回】 同上 (その2:ベトナム戦争は何であったか) 【第4回】 同上 (その3:東南アジア諸国連合、ASEANとは何か) 【第5回】 同上 (その4:アジア太平洋経済協力会議、APECとは何か) 【第6回】 同上 (その5:ASEAN地域フォーラム、ARFとは何か) 【第7回】 同上 (その6:東南アジア諸国と中国との関係) 【第8回】 同上 (その7:オーストラリア等と我が国の関係) 【第9回】 南西アジア地域の特性 (インドとパキスタンの関係) 【第10回】 中央アジア地域の特性 (いわゆるファイブ・スタンについて) 【第11回】 わが国のアジア地域への貢献 (その1:わが国の政府開発援助、ODA) 【第12回】 同上 (その2:わが国の国際緊急援助活動) 【第13回】 同上 (その3:わが国の国際平和維持活動、PKO) 【第14回】 アジアの未来とわが国の役割 【第15回】 まとめ
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