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授業の内容(Course Description) |
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中国史研究の基本である史料(中国古典文、漢文)の講読を通して、中国史独自の歴史展開への理解を深めるとともに、漢文の読解力を修得する。テキストは、編年体(年代記方式の歴史叙述)の代表である北宋の司馬光が編纂した前403~959年までのおよそ1400年間の詳細な通史である『資治通鑑』を用いる。春期は三国時代の初期、魏の文帝曹丕と呉の孫権の和戦両様の関係、蜀漢の劉備の死の時期から読み始める。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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漢文史料の基本的な読み方を輪読を通して修得し、歴史とは史料を読み込むことによってこそ本当のおもしろさが見出せることを理解することが目標である。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席を最も重視する。毎回の当番者の読み方を聞きながら読解力を深め、自分の当番の際に十分に反映させることが求められる.出席回数、当番時における読解力、数回の小テストを総合して評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは、北京中華書局版の校点本『資治通鑑』をコピーして配布する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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必ず予習して授業に出席することを強く望む。漢和辞典(電子辞典でも可)は常に持参すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス、漢和辞典の紹介、『資治通鑑』の叙述形式及び史料的性格について 【第2回】 巻70魏黄初4年(223)正月~2月 曹魏と孫呉が濡須で戦う 【第3回】 同4年3月~4月 蜀漢の劉備、諸葛亮に後事を託して死去 【第4回】 同4年5月~6月 蜀漢の後主即位、丞相諸葛亮の輔政 【第5回】 同4年7月~12月 魏、三公体制を強化 【第6回】 黄初5年(224)正月~7月 魏文帝、対孫呉の前線に親征 【第7回】 同8月~12月 鮮卑族による魏の東北辺境への侵入激化 【第8回】 黄初6年(225)正月~6月 孫呉、顧雍を丞相とする 【第9回】 同7月~12月 蜀漢の諸葛亮、雲南地方を平定 【第10回】 黄初7年(226)正月~5月 魏文帝崩じ、明帝即位 【第11回】 同6月~12月 魏文帝の崩を聞き、呉主孫権自ら魏を攻める 【第12回】 太和元年(227)正月~3月 諸葛亮の最初の北伐敢行、出師の表 【第13回】 同上 出師の表(続) 【第14回】 同4月~6月 魏は司馬懿を派遣して、諸葛亮の北伐に対抗 【第15回】 同7月~12月 魏の孟達、蜀漢への寝返りを図る
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