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授業の内容(Course Description) |
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テレビ57年の歴史はNHKと民放の併存・共生である。しかしその経営内容は全く異なっている。NHKは受信料収入であり、民放は80%以上が広告収入である。NHKは受信料問題、民放は未曾有の広告料激減とインターネットの進出による経営環境の変化。厳しい試練に立たされている。しかしながらコンテンツ制作だけは共通で視聴率に一喜一憂しながら激しい競争がくりひろげられているのが現実である。報道、ドラマ、ドキュメント、バラエティ、音楽番組、スポーツ、ワイドショー、アニメ、外国映画それぞれの関係先会社は枚挙にいとまがない程に多種多様化している。 別科目で「実践的番組制作論―テレビの達人たち」を開講し上記各ジャンルの達人たち(テレビ局のOB&現役)にテレビ局員としてテレビを巨大メディアに作りあげた足跡、サクセスストーリーを語ってもらっているが、テレビは御承知のようにテレビ局員だけでは制作完結はむずかしい。この講義では前期、後期にわけてテレビ局のパートナーとして共にテレビの黎明期、成長期、安定期を苦楽を共にしながら研鑽し、道をきりひらいて来た方々、今日のテレビの繁栄に協力、貢献していただいた方々に21世紀のテレビの在り方、方向性について忌憚のない率直な箴言、直言、提言をいただき、放送の原点に戻って完全デジタル化に対応したテレビの未来像を皆様と共に考えてゆきたい。 テレビの両輪、ジャーナリズムとエンターテイメント、とりわけエンターテイメントについては国民の最高の娯楽情報であり、その期待度は大きいがゆえに充分なる議論を重ねることが肝要である。後期は広告主、タレント、プロダクションからみたテレビを中心に来期以降の情報メディア、大予言へとつないでゆきたい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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エンターテイメントの達人たちはとりもなおさず、人生の達人である。功なり名を遂げた方々の足跡、苦労話、サクセスストーリーから、これからの皆様の人生への指針、方向性が見出されれば幸いである。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席(50%)と課題レポート(50%)を綜合して評価する
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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『テレビ局の内定がほしいなら、これは知っておけ』 池内正人著 (元テレビ東京代表取締役副社長、元BSジャパン代表取締役社長) 『テレビ局が潰れた日』 『テレビ番外地―東京12チャンネルの奇跡』 石光勝著 (元テレビ東京常務取締役)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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テレビ57年の歴史の中で常にパートナーとして協力、研鑽し合って来た外部応援団(広告主、広告会社、コメンテーター、タレント、声優、プロダクション、タレント事務所、映画会社、CI会社、視聴率調査会社、メイク、スタントマン、映像翻訳家、放送批評家等々)の存在こそ繁栄の礎であり、テレビが今日迄ながきにわたってマスコミのトップに君臨している証左である。その多岐にわたる関係者のチームワークの結晶が素晴らしいコンテンツを生み出し、視聴者にやすらぎ、いやしを与えている。今そのコンテンツが完全デジタル化の潮流の中で、どのように変化してゆくのか、パートナーゆえの率直な生の声を聞くことによって更にテレビへの理解を深めていただければ幸いである。「自分流」の更なる研鑽の為に100%出席を要望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 総論(テレビの潮流と善後策 講義の趣旨、スケジュール等) 【第2回】 ワイド番組、コメンテーターとして (江上 剛 ・ 作家&コメンテーター) 【第3回】 マルチタレントからみたテレビの裏側 (憩居 かなみ ・ タレント) 【第4回】 タレント育成と音楽事務所の現状 (小松 清志 ・ スターダスト、プロデューサー) 【第5回】 スタント・スポーツ関連、CMからみたテレビ (馬場 賢親 ・ プレジャーサポート協会理事長) 【第6回】 「開運・何でも鑑定団」制作秘話 (池谷 誠一 ・ ネクサス社長) 【第7回】 広告主からみたテレビ (幼方 聡子 ・ 東レ宣伝室長) 【第8回】 大ヒット「伊右衛門」の成功秘話 (斉藤 和宏 ・ サントリー 執行役員) 【第9回】 J-WAVE、大人気の秘密 (小笠原 徹 ・ J-WAVE 代表取締役社長) 【第10回】 アドバタイジング&アート・マネージメント (若林 覚 ・ 前サントリー美術館副館長兼支配人) 【第11回】 マスコミュニケーションとミニコミュニケーション (井波 ゆき子 ・ タレント) 【第12回】 放送作家からみたテレビの現状と課題 (野田 英夫 ・ 放送作家) 【第13回】 情報メディア大予言(I) (千田 利史 ・ メディアコンサルティング) 【第14回】 情報メディア大予言(II) (千田 利史 ・ メディアコンサルティング) 【第15回】 メイクからみたテレビの裏事情 (阿部 時雄 ・ アートメイク「トキ」社長 演劇プロデューサー)
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