Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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心身医学特論 池田 政俊
選択  2単位
【臨床心理学専攻】 10-1-1360-0032-01

1. 授業の内容(Course Description)
 日本心身医学会の1991年の定義では「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」とされている。しかし本来心身医学は、心身二元論を克服し、人間の心身を全体として捉えようとする学問である。本講義では、心身医学を幅広く捉え、狭義の心身症のみならず、精神医学領域とされる病全般を、その心理的側面から理解することを目指す。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 本講義では、心理臨床家に必要な心身医学、精神医学の全般的な知識を習得する事を目指す。すなわち、心身医学を幅広く捉え、狭義の心身症のみならず、精神医学領域とされる病全般を、その心理的側面から理解することを目指す。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 テーマごとにグループとなり、参考文献を参考にしてレジュメを作成し、発表・討論する。それに教員が補足的に説明する。発表、討論への義務としての参加、レポート(レジュメ)で60%とし、そのほか、自主的な討論頻度(1回の発言につき5%評価をあげる予定である)、レポート(下記課題図書を読み、A4で2-3枚程度のレポート作成を課する予定である)、小テスト(未定)、内容、態度などを組み合わせ、総合的に評価する。出席は義務づけないが、出席者には加点する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:精神医学関連として(春期の精神医学特論から引き続き使用予定):
  1.『知っておきたい精神医学の基礎知識―サイコロジストとコ・メディカルのために』(単行本)上島 国利(編集), 平島 奈津子(編集),上別府 圭子(編集) 誠信書房
  2.『精神力動的精神医学②』『精神力動的精神医学③』ギャバード(著)岩崎学術出版社
 参考書:『心身症』、成田 善弘 著、講談社現代新書、(絶版)
 課題図書:『身体という劇場-心身症への精神分析的アプローチ』、マクドゥーガル著、氏原ら訳、創元社
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この講義は春期の「精神医学特論」および通年の「臨床心理面接特論」と連動している。履修者は春期に「精神医学特論」を履修することが強く望まれる。
 精神医学特論、精神薬理学特論、臨床心理面接特論など
 (学部:精神病理学概論、精神医学概論、精神薬理学概論、精神分析学、精神保健の理論と実際など)
6.
授業の計画(Course Syllabus)
 以下の予定であるがあくまでも目安である。
【第1回】
 オリエンテーション、分担
【第2回】
 心身症(定義、心身相関、ストレス学説、免疫、パーソナリティ、診断と治療)
【第3回】~【第15回】
 下記の項目のうち春期の「精神医学特論」で終わらなかった部分を引き続き行う。
  テキスト2:統合失調症
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(1)統合失調症(精神分裂病)
  テキスト2:気分障害
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(2)感情障害
  テキスト2:不安障害
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(3)不安障害
  テキスト2:解離性障害
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(4)解離性障害
  テキスト2:物質関連障害と摂食障害
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(6)物質関連障害と摂食障害
  テキスト2:認知症
  2.Ⅰ軸障害への力動的アプローチ(7)認知症(痴呆)とその他の認知障害
  3.II軸障害への力動的アプローチ
  (1)A群人格障害(妄想性、分裂気質、分裂病型)
  (2)B群人格障害(境界性、自己愛性、反社会性)
  (3)C群人格障害(強迫性、回避性、依存性)
  テキスト2:精神科関連の法と制度の基礎知識
臨床心理学と精神医学との接点
  小テスト